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米Appleは3月9日(現地時間)、iPhoneユーザーが医療機関の研究にデータを提供できるようにするオープンソースのソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」を発表した。
疾病の治療法研究には実際の医療データが欠かせないが、研究への協力者を多数集めたり、書類で同意を求める作業は煩雑で頻繁にはできない。ResearchKitのアプリでは、累計7億台販売したiPhoneのユーザーから、ユーザーが協力する意志を持ちさえすれば、研究に必要なデータを収集できる。Appleは、ResearchKitにより、医療研究に必要な大量で正確で新鮮なデータを、プレイバシーを守りつつ収集できるとしている。
このフレームワークにより、既にオックスフォード大学やThe Michael J. Fox Foundationなどの医療関係組織が研究アプリを開発済みで、まずは米国のApp Storeで同日、ぜんそく、パーキンソン病、糖尿病、乳がん、心疾患の研究のためのアプリ5本が公開された。
ユーザーは協力を決めた医療機関のアプリをインストールし、指示に従って幾つかのテストや質問をこなす。例えばロチェスター大学と米Sage Bionetworksが共同開発したパーキンソン病研究アプリ「mPower」では、まず手描きの署名でサインアップし、2本指で画面をタップする速度を測ったり、マイクから声を入力したりする。
データは氏名などの個人情報をランダムなコードに置き換えて匿名化した上でSage Bionetworksが保存する。Appleはこうしたアプリで収集したデータにアクセスできない。
ResearchKitは、昨年6月のWWDCで発表された健康・フィットネス関連ソフトウェアフレームワークの「HealthKit」とも連係し、Appleのアプリ「ヘルスケア」をはじめとする各種HealthKitアプリで収集したユーザーの体重や心拍数などのデータにもアクセスできる。
ResaerchKitアプリは、まずは米国でのみ提供を開始し、段階的に提供地域を拡大していく計画だ。ResearchKitのアプリ開発者への提供開始は4月の予定。