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いかにして錦織圭選手は強くなったのか? 世界の頂点を目指す、これまでの“戦い”の記録

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いかにして錦織圭選手は強くなったのか? 世界の頂点を目指す、これまでの“戦い”の記録

 いかにして錦織圭選手は強くなったのか? 世界の頂点を目指す、これまでの“戦い”の記録

 

 『頂点への道』(錦織圭、秋山英宏/文藝春秋)

  2014年に優勝し、今年は第1シードとして出場したバルセロナ・オープンで見事優勝、連覇したテニスの錦織圭選手。これでツアー大会の優勝は9勝となり、クルム伊達公子選手が持っていた日本人選手単独最多優勝記録の8勝を上回った。2015年4月27日現在、錦織選手のATPランキングは5位。1位はノバク・ジョコビッチ、2位ロジャー・フェデラー、3位アンディ・マリー、4位ラファエル・ナダルだ。錦織選手よりも上のランクには、現在のテニス界で「ビッグ4」と呼ばれる強豪選手しかいないのだ。

  錦織選手躍進のきっかけとなった試合は2008年、全米オープン3回戦でのダビド・フェレールとの対戦であったと思う。もちろん同年に18歳で出場したデルレイビーチ国際選手権でのツアー大会初優勝もあるが、当時世界ランキング4位だったフェレールを破り、グランドスラム大会でベスト16に進出したことは非常に大きな出来事だった。しかし活躍が期待された2009年、肘の負傷によって約1年という長期にわたって戦線を離脱し、56位まで上げた世界ランキングを800位台まで下げてしまった。

  ちょうどその19歳の頃からブログを始めたという錦織選手。2010年にケガから復帰し、2014年のUSオープンで日本人初となる決勝進出(結果は準優勝)、そして2015年のメンフィス・オープン連覇を果たすまでの約6年間が詳細に記録された初の著書『頂点への道』(錦織圭、秋山英宏/文藝春秋)が出版された。ブログに書いた文章を修正せずに掲載した本書には、試合の戦術やメンタル、そして生々しい心情が綴られている。また時にお茶目な一面(風呂でパソコンやゲーム機を水没させたりしている!)が見られたり、小学6年生の時の作文「ぼくの夢」も載っている。

  本書はこの本人の視点と、錦織選手を10代の頃から取材してきたライターの秋山英宏氏による試合観戦記という客観的視点の両面から「いかにして錦織選手は強くなったのか」が克明に記録されている。錦織選手がこれまでやってきたことや感じてきたこと、そしてポイントとなった試合の詳細を読むことで、テニスのことを知らない人でも、その試合内容や結果がどんな意味を持ち、それによってどう成長していったのかがよくわかることと思う。

  この本の裏表紙には、今と変わらぬ厚いグリップでフォアハンドを打つ小学5年生の時の写真が載っている。身体をひねり、大きくジャンプして力いっぱいボールをヒットしているのだが、軸やバランスはまったく崩れておらず、さらに視線はボールを打った方へしっかり向けられていて、恐ろしいまでの才能を感じさせる。少年時から天才的なひらめきによる戦術と多彩なショットを持ち、すでに中学生でトッププレーヤーに必須といわれる「殺人者の本能」(情け容赦なく相手を食い尽くそうとすること。英語では“Killer Instinct”と呼ばれる)を見せていたことについて本書で触れられているが、それだけでは世界のトップにはなれないことは、この戦いと努力の記録を読むとよくわかるだろう。

  2014年、元世界ランク2位のマイケル・チャン氏をコーチに招聘したことで攻撃的テニスが開花、快進撃が続く錦織選手。しかしその活躍は特異な「点」が作用したのではなく、これまでに積み上げてきた「線」にあるということを、最近ファンになった人には知ってもらいたい。そして錦織選手にとって世界5位はただの通過点でしかなく、本書はトップに至るまでの途中経過であり、これからも日々アップデートされていくものだ。なのでファンの人たちは目先の試合結果に期待して一喜一憂するのではなく、錦織選手が見据えている未来を一緒に見て欲しいと思う。

  次のグランドスラム大会は5月24日から開幕する全仏オープンだ。パリ・ブローニュの森にあるローラン・ギャロスの赤土の上で活躍するであろう錦織選手にぜひ注目したい。そして数十年テニスを見続けてきたファンのひとりとして、この先も続く頂点を目指す戦いの中で大きなケガがないことを祈りたい。

 文=成田全(ナリタタモツ)

 本記事は「ダ・ヴィンチニュース」から提供を受けております。
 著作権は提供各社に帰属します。

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