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ももいろクローバーZのメンバー5人が揃って初主演を果たした映画『幕が上がる』。『踊る大捜査線』シリーズで知られる本広克行監督が、「私の集大成になることは間違いない」と語るほど魂を込めて演出した、青春映画の傑作だ。演技という新しいステージに挑んだももクロが、映画の魅力を語った。
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本作は、劇作家の平田オリザが2012年に発表した処女小説を原作に、高校演劇の世界を描く青春映画。部長として富士ヶ丘高校の演劇部をまとめる高橋さおりを百田夏菜子、部の看板女優でお姫様キャラの“ユッコ”を玉井詩織、黙っていれば可愛い“がるる”を高城れに、後輩でしっかり者の“明美ちゃん”を佐々木彩夏、演劇強豪校からの転校生“中西さん”を有安杏果が務める。
そもそも、本広監督は原作を読んだ際に「主人公5人のキャラクターが驚くほどももいろクローバーZの5人に重なっていた」と感じていたという。自分に合う役柄、そしてメンバーのことを知り尽くした本広監督による演出と、初主演にはこの上ない環境が整っていたものの、それにしても5人の演技は圧巻。とても初めてとは思えない、堂々たる姿を見せている。
特に、百田の自然体の演技は魅力的だ。周りに押し付けられるように演劇部の部長になったさおりが、悩みながらも部員を引っ張り、全国大会を目指すまでになる姿を、百田は真摯に演じている。メンバーからもその部長っぷりは高評価で、有杏からは「ラストのシーンで、部員たちの演技を見守っている横顔が、部長だった」、玉井は「普段は、プールに落っこちちゃうくらいボケボケしているのに、(撮影では)部員全員のことを見てて、最後はまとめてくれる」とべた褒めされるほど。百田は、そんな褒め言葉を聞いて、「普段は恥ずかしくて言えないんでしょうね。みんな、私のこと好きなんだな」と満面の笑みを見せて喜んだが、撮影では苦労も多かったと明かす。 「(吉岡先生役の)黒木(華)さんに顧問をお願いするシーンを撮影したのが、黒木さんと初めてお会いした日で、初めての二人のシーンだったので、めちゃめちゃ緊張しました。(演技では)グイグイいかなくちゃいけないんだけど、なかなか近づけなくて…。リハーサルの時から、監督に『もっとグイグイ行って!』って言われたのをすごい覚えてます」。印象に残ったシーンを、百田はそう話して苦笑いした。
2015年5月1日~24日には、同じくももクロのメンバーが主演、本広監督が演出する舞台版の上演も決定している。…内容はまだまだこれからというが、百田は「(原作者であり舞台では脚本も担当する)平田さんがハードルをあげてるって話を耳にしました…。でも、平田さんと本広さんは最強タッグだと思うので、しっかりとしがみついてついていけるように頑張りたいと思います」と意気込む。そして、百田は本作を「どの世代の人が見ても、キラキラした青春を感じられると思います」とアピールした。(取材・文:嶋田真己)
『幕が上がる』は2月28日より全国ロードショー。