●デビュー後の初仕事もCM「テレビってすごい」
旭化成不動産レジデンス「ヘーベルROOMS」のCM「その理由は、部屋」編で、ウインクで100人の男性を気絶させた美女。放送後からネットで「かわいすぎる」「誰?」「気になる」と話題になったその女性が、『non-no』(集英社)の専属モデルを務めている久慈暁子だ。今年成人を迎えたばかりの久慈の魅力に迫るべく、CM撮影秘話やデビューのきっかけ、地元・岩手のことなどをインタビュー。写真撮影ではウインクの再現にも気さくに応じてくれた。
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―― 一視聴者としてすごく印象に残ったCMでした。
本当ですか!? ありがとうございます。
――オンエア後の反響は?
すごく反響が大きくて。「いつも見る」とか、中には「1日最低3回は見る」という人も(笑)。あとはスクショ(スクリーンショット)して送ってくれたり。そんなに仲良くない人も連絡くれたりします(笑)。やっぱり、テレビってすごいなと思いました。最初は友だちも私のことを気づかないかなと思っていたんですけど、すぐに「出てたね」って言ってくれて。そうやって気づいてくれるのは、うれしいですね。
――もともとウインクは得意なんですか?
いえ! 本当にできなくて。しかも、右目はできるんですけど左目はなかなか難しくて。右目だったら自信を持ってたんですけど、現場に行ったらまさかの逆(笑)。たまたま成功した1回を使っていただきました。あとは、ドミノ倒しになる人がウマすぎるんです! 実際に倒れていたので痛くないのかなと心配になったんですが、くっつきすぎて痛くないらしいです(笑)。
――次に気になったのは「飲み会ではスターで」のシーン。「胸がキュンキュンキュン♪」という歌詞の曲をカラオケで熱唱していましたね。
わざわざCM専用の曲を作ってくださったんです! 監督からは「もっと周りを盛り上げて」と言われて、「体を振って」とか動きに関しての具体的な指示はありました。
――そして「毎日が羽ばたいて、まるで空を飛んでいるように感じるのは」のセリフでは、背中に羽が生えて空を飛んでいましたね。
あれはスタッフさんの人力で、後ろから引っ張って羽根を動かしていました。私は実際に飛んでるわけじゃなくて、前傾姿勢になっていただけです(笑)。
――そもそもウインクって日常でやることはあまりないですよね。
ないですね。プライベートでは「ウインクできる?」みたいな流れでふざけてやったことはありましたけど、それ以外は1度もなかったです。
――友だちから「ウインクやって」とお願いされることはありませんか。
「やって」はないです…あっ! 言われたかも…今日言われました! 友だちとの会話の流れで無茶ぶりされて。一応やりましたけど、笑われました (笑)。
――以前のソフトバンクのCM(2013年12月~「方言リレー」編)は1シーンのみの数秒の出演でしたが、当時の反響はいかがでしたか。
本当に一瞬だったので、こっちのCMも絶対に気づかれないと思っていたんですけど、すぐに気づいてくれました。でも、山口弁をしゃべる役だったので、地元(岩手)の人から「裏切り者」と言われて(笑)。山口弁が全然分からなかったんですが、現場に方言指導の先生が来てくださいました。
――芸能界デビューして初めての仕事だったそうですね。現場に向かう時の心境は?
うれしいと不安が半々というか。まさかCMからスタートするとは思ってなかったので、緊張しました。CMが放送されてからも、自分が芸能活動をはじめたという実感がなくて。実は今もあまりありません(笑)。去年の12月で1年が経ちましたけど、本当に濃すぎる1年でした。今の状態が自分なのか分からないというか。自分なんですけど、違う自分みたいな。
――今年は成人式に出席して、同窓会もあったそうですね。周囲の反応は?
すごく応援してくれました。まさか、こんなに応援してくれていると思ってなくて。会ってみたらみんなそんな感じだったので、すっごくうれしかったです。
――地元の風習では、新成人は親から手紙をもらうそうですね。久慈さんは受け取りましたか。
もらいました。お母さんからの手紙でした。書いてあったのは「大学に入ってからの1年間で成長したと思っています」と。あとは「自分の状況に驕ることなく自分の生活に余裕を持つことが幸せへの近道」と書いてありました。それを読む前に、ステージでほかの親御さんの発表があって、妊娠した時からこの日のために手紙を書いてた方で。もらい泣きしてしまいました。取材が控えていましたし、化粧が崩れてしまわないか心配で(笑)。その流れで手紙を読んだので、感極まってしまいました。
●激変する状況への戸惑い「違う自分が先に行く」
――2013年に青山学院大学への入学を機に上京。大学進学を決めた理由は?
もともとは特に理由もありませんでした。高校が進学校だったので、みんな勉強するんです。私のお兄ちゃんも進学していましたし、進学するのが普通だったというか。特に何も考えずに決めました。
――将来の職業について考えたことはありましたか。
小学校の時からキャビンアテンダントになりたかったです。でも、あまりそう思わなくなって。先生から「経済か経営に行け」と言われて、経済学部に入って。だから、夢がないまま東京に来たんですよ。
――なぜ東京の大学に?
両親が結婚してからずっと東京に暮らしていて、実家があるので岩手に戻ったそうなんです。青学の近くで仕事していたみたいで、「青学はすごくいいよ」という勧めもあったので、そういう流れで決まっていきました。
――その年の5月に、渋谷でスカウトされたことがデビューのきっかけ。それまでスカウトされたことは?
入学式に読者モデルの勧誘の方がたくさんいて。今の事務所に声を掛けられた時に初めてやってみようと思ったんですけど、それまでは全然興味が湧きませんでした。
――今の事務所とそれまでの違いは何だったのでしょうか。
最初はとにかく友だちを作ることに一生懸命で。周りでは岩手の子は一人もいなくて。履修もあったし、自分のことで精一杯でしたし、まさか芸能人になれるなんて思っていなかったので。5月ぐらいからあまり声を掛けられなくなってきて、その時に声を掛けていただいて。タイミングが良かったんだと思います。
――その後もスカウトは続きましたか?
私、田舎者すぎてティシュ配りとか全部もらってたんですよ。かわいそうって思っちゃって(笑)。そんな感じですから、スカウトされたら話は聞いていたと思います。
――スカウトをされてからデビューの12月まではどのような日々を?
普通の大学生活を過ごしていました。事務所に入ったんですけど、その自覚がなかったというか、芸能人になれると思ってなかったので、やる気もなかなか起こらないというか。チア部に没頭していました。
――チアリーディングで友だちが増えた感じですか?
そうですね。今でも友だちですごく楽しい大学生活を送っています。みんな「見てるよ」と応援してくれるんですけど、最近は「勢いについていけない」と(笑)。地方出身の普通の大学生がまさかこんなことになるとはとすごく言われます。
――2014年8月のnon-noモデルオーディションでグランプリ。これも大きな出来事でしたね。
雑誌が発売になってからも、私でいいのかなと(笑)。ドラマにも出させて頂きましたけど、私自身も気持ち的についていけてなくて、なんで私なのかなとか考えることもありました。違う自分が先に行っている感覚。中身は昔とそんなに変わっていないのに、状況だけが変わっていく感じ。芸能界は遠い存在でしたが…人生ってよく分からないなと思います。
――今後はどのような自分を目指そうと考えていますか。
『non-no』の専属モデルを務めさせていただいているので、そこを基本としていろいろなお仕事を頑張っていけたらいいなと思います。
――同じ事務所の山本美月さんに憧れているそうですね。
芸能界に入る前から赤文字系の雑誌を結構読んでいました。雑誌を読むのが昔から好きで。一緒にトークショーをやらせていただいて、その時に手を繋いでくれてすっごくうれしかったです(笑)。
――去年はいろいろな人との出会いを経験した濃い1年だったと思います。今年はどんな1年にしたいですか。
『non-no』ではもっと巻頭とかにたくさん出られるように頑張りたいです。あとは演技や桐谷美玲さんみたいなキャスターのお仕事も経験してみたいです。
――ブログを読んでてすごく気になったのが、最初の投稿で書いてあった「好きな食べ物はこんにゃくゼリーです」。
「こんにゃくゼリー」って書いてから、誰が気づいてくれたのか分かりませんけど、現場にいくたびに「こんにゃくゼリー」が置いてあるんです(笑)。
――ゼリーじゃダメなんですか?
こんにゃくじゃないとダメです! しかも、クラッシュタイプじゃなくて、ちゃんと堅いやつ!
■プロフィール
久慈暁子
1994年7月13日生まれ。岩手県出身。O型。身長166cm。資格:英検2級、日本習字8段。好きな食べ物:こんにゃくゼリー。2013年に青山学院大学経済学部に入学して上京。同年5月に渋谷でスカウトされて芸能界に入った。翌年3月に「2014年旭化成グループキャンペーンモデル」に選ばれ、7月放送の『近キョリ恋愛~Season Zero~』(日本テレビ系)でドラマ初出演。8月に第45回non-noモデルオーディションでグランプリを受賞し、同誌の11月号から専属モデルを務めている。
(水崎泰臣)