社会そのほか速
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NHKEテレ(教育テレビ)の子ども向け番組「つくってあそぼ」で工作を教える「わくわくさん」役を1990年から23年間演じました。
ものをつくるのは子どもの頃から好きでした。プラモデルは無数に作った。高校生の時に作った零戦には、写真集を参考に操縦席を再現しました。番組では、子どもが「やってみたいな」と思えるような作り方をこころがけました。
本当は日本史の教師になりたかった。高校時代、担任だった木村肇先生にあこがれてね。でも大学4年の時、母校の高校での教育実習でくじけちゃった。
生徒は言うこと聞かない、叱っても静まらない。授業をやる前提すら作れなかった。「ああ、俺駄目だ」と自信をなくしました。実習の少し前、面白半分で応募した劇団に受かっていました。演じることが面白くなっていたこともあり、役者の道に進みました。
木村先生は、生徒をよく見ていてくれる先生でした。2年生の時の学園祭。映画を作ったんですが、クラス全員に相談しながら進めなければいけないのに、一部の仲間だけで、作ってしまった。学校をさぼって友人の家で編集していたら、先生が来て、「お前たちだけのものじゃないだろ」と怒られました。その後、先生がほかの生徒にうまく説明してくれ、なんとか丸くおさまりました。
人にものを教える、伝えるという意味で、教師に近い仕事をしているかなと思っています。番組は終わりましたが、各地で工作教室をしています。「継続は力なり」。木村先生にもよく言われました。これからも工作の魅力を伝えていきたいと思います。(聞き手・名倉透浩)
(2014年8月28日付読売新聞朝刊掲載)