社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
農業の後継者不足に悩む与謝野町が、情報通信技術(ICT)を活用して新規就農者を増やすモデル事業に取り組んでいる。
農地の気温や水分量などをデータ化し、最適な収穫時期を明確にしたり、病気予防につなげたりする試み。ベテラン農家の〈経験〉と〈勘〉を数値化することよって煩雑とみられがちな作業をわかりやすくし、農業に関心を持つ若者らを呼び込むのが狙いで、農業の再活性化を目指す。
同町の農業従事者は、2007年度に1200人を超えていたが、昨年度は1077人に減少。町は担い手を増やそうと、06年度から新規就農者を対象に、2年間の研修期間中や就農後5年間に所得補助を行う事業を展開しているが、現在のところ、新規就農者は21人にとどまっている。
町は、就農者が伸びない理由を、五感や経験を頼りにする手法にあると分析。農家は、土壌の乾き具合や畑の温度を感じ取って収穫時期や病気の兆候を察知するため、研修制度を設けても、すぐには成果が表れないという。
そこで、町は農家の「感覚」を数値などで具体的に示した栽培マニュアルの作成を計画し、昨年度から農地管理システムを導入してデータ収集を始めた。ベテラン農家の田畑4か所に計測器を設置。気温や湿度、日射量、土壌水分量などの基礎データを計測し、専用サイトに蓄積していき、作業日報も作成してもらう。データはスマートフォンで確認することもできる。町は、このデータと日報を基にマニュアル化を進めていく。
例えば、稲作では9月中旬と大まかな指標しかなかった刈り取り時期は「稲の花が咲いてから、毎日積算する温度が1100度に達する頃」と、時期が具体的になったという。
町は、来年度に新規就農者用のマニュアルを完成させる予定で、担当者は「育成ゲームの感覚で農業ができるので、若者にとっては、とっつきやすいのでは。定住促進にもつなげていきたい」としている。(中山亨一)