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残業は「カッコワルイ」時代

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残業は「カッコワルイ」時代

 残業は「カッコワルイ」時代

 

  • イラスト・小林早希
  •   25年以上前、私が就職した当時は、連日の残業で、眠くて仕方がありませんでした。

      休日出勤を「カッコイイ」とする風潮すらありました。

      でも今では、午後8時以降は原則残業禁止、自由勤務時間制で時差出勤、水曜日はノー残業デーなど、従業員に長時間、働かせない会社が増えています。有給休暇も積極的に取るよう勧められ、残業は「カッコワルイ」状況になりつつあります。

      入社まで1か月を切った大学4年生らにとって、この変化は喜ぶべきかもしれませんが、現実はそう単純ではありません。

      長時間労働が規制され始めたのは、日本人が働く時間の割に成果を出せなくなったこともあります。会社からすると残業代や休日手当は増えても、業績は上がっていないということ。少し難しい言葉で言うと、生産性の向上が経営課題なのです。

      仕事に慣れない若手社員にとっては厳しい事態です。昔は少々時間がかかっても「自分で覚えなさい」と言われていたものが、必ず時間内に終わらせないといけなくなったからです。

      入社早々に仕事の量と質の両方を求められ、難題に感じることもあるでしょう。ただ、先輩や上司も短時間で成果を上げることに四苦八苦しています。壁にぶつかったら、一人で抱え込まず、先輩らに相談して解決の糸口を見つければよいのです。少しずつ力をつけて、数年後には、時間内にさっと仕事を切り上げられるスマートな社会人を目指しましょう。(フィールワークス代表)

      (2015年3月3日の読売新聞朝刊に掲載)

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