社会そのほか速
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3月9日に発表されたドーピング調査報告書「CIRCレポート」。現役トップ選手のアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)が2010年ツール・ド・フランスの優勝をはく奪されたドーピング事件について、その対応の公平性に問題があったと指摘している。 UCIから独立した機関として、CIRC(自転車競技独立改革委員会)はドーピング事件の調査を行ってきた。2010年ツールでは、アルベルト・コンタドール(当時アスタナ)が7月21日の休息日に受けたドーピング検査で採取された尿サンプルから、微細な量の禁止薬物クレンブテロールの存在が明らかとなった。 同年8月24日、コンタドールはUCIから電話連絡を受け、26日にドクターとともに3人のUCIスタッフと面会。コンタドールらは、過去の事例をもとに前夜に食べた汚染された肉が原因の可能性があると主張した。最終的にCAS(スポーツ仲裁裁判所)は汚染された肉の可能性は低く、汚染された栄養サプリメントが原因だとの結論に達している。 この件はメディアにリークされニュースとなっていたので、2010年9月30日にUCIはあらためてプレスリリースとして発表した。その後、2011年3月24日にコンタドールの母国、スペイン自転車競技連合は無罪を宣告。しかし、UCIとWADA(世界アンチドーピング機関)はCASに上訴し、無罪の無効を求めた。この結果、2012年2月6日にCASはコンタドールに2年間の出場禁止と2010年ツールのタイトルはく奪処分を下した。 この件に関しCIRCは、UCIがコンタドールの陽性反応を隠そうとしていた証拠はなく、WADAにも情報を送り、ともに議論に参加していたと認めている。しかし、通常の手続きを無視してコンタドールが個人的にドーピング違反の通知を受け取ったとの証言もあり、CIRCはこれを問題視。メディアへのリークについても、選手のプライバシー権を尊重するため厳密に調査すべきとしている。 また研究所の検査能力の違いについても、不公平な結果を生むと疑問を投げかけている。コンタドールら当時ツールの上位5選手のサンプルは、ドイツ・ケルンの研究所に送られた。当時、この研修所は微細な量のクレンブテロールを検知できる能力を持つ唯一の研究所だった。CIRCはすべての選手が、地位に関係なく同じルールと手続きが適用されるべきだったと主張している。