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【ダッグアウトの裏側】米フロリダ州南東部のジュピター。イチロー外野手が所属するマーリンズとともに、ここをキャンプ地としているのがカージナルスだ。
ワールドシリーズ制覇はヤンキースの27度に次ぐ、ナ・リーグ最多の11度。2000年以降、ポストシーズンを逃したのは4度しかない。ジュピターを訪れるたび、低迷が続いているマーリンズとの練習内容の違いに注目してきた。
「基本がしっかりしていて、守備と走塁でミスをしなければ、攻撃力で劣っていても勝てる。重要なのは意識と準備。たとえ足が速くなくても、常に次の塁を狙う姿勢を保ち、状況判断を磨けば“良い走者”になれる」
これは2年前に単独インタビューしたオジー・スミス氏(60)の言葉だ。カ軍での現役時代に13年連続でゴールドグラブ賞を獲得。「オズの魔法使い」の異名をとった殿堂入り遊撃手は、名門の強さについて語ってくれた。
実際、メニューの大半は投内連係を含めた守備と走塁、そしてバントにあてられていた。徹底した基礎練習の反復。マット・ホリデー外野手ら中軸打者も例外ではなく、ケージに入ってバントを繰り返し、さまざまな状況を想定した走塁練習で瞬時の反応と判断力を磨いていた。
万が一に備えた練習もしていた。20メートルほどの間隔で立たせた外野手2人の間に2-3秒の間をおいてフライを2球上げる。最初のフライは「I got it!」(任せろ!)と声を出した方がキャッチ。2球目は、もう一方の選手が、1球目を捕った相手を避けながら捕球する。「歓声で掛け声が聞こえない場合や、捕球すべき選手が打球を見失った場合に衝突を避けて捕る練習なんだ」というコーチの説明に感心した。
キャンプ中から徹底される「スモールベースボール」こそ、常勝軍団で引き継がれている伝統。ナ・リーグ中地区で今季3連覇を達成する可能性は高い。
■田代 学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ一般スポーツ担当部長。1991年入社。プロ野球のヤクルトと巨人を担当後、休職し米オハイオ大に留学。復職後は長野、シドニー両五輪の担当を経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会理事や13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。愛称は「ガク」。