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ホテルロビーの中心で愛を誓うには訳がある!?
ウェディングも兼ね備えた大型ホテルともなれば、こだわりの装飾も相まってちょっとした異世界を感じられる場所もある。人生における様々なシーンを演出するホテルは、感動ストーリーや時にミステリーなど、ドラマや映画の舞台にもなることも。そんな中で”ホテルは舞台”を思わせてくれる場所がある。キーワードは”ホテチュー”だ。
空港からも近く博多駅から徒歩5分
今回紹介する、ちょっとミステリアスなデラックスホテルの名前は「ハイアット リージェンシー 福岡」。福岡市は空港と博多駅や市街地が至近であることはよく知られているが、このホテルはより空港に近い立地、博多駅からも徒歩5分のところにある。市街地にある他のホテルより立地が秀でているため、出張はもとより九州観光の拠点としても活用できる。
ハイアットといえば世界的なホテルブランドだが、その中でも比較的カジュアルに利用しやすいカテゴリーがリージェンシーだ。とはいえ、デザイン性の高い洗練された館内は、パブリックスペースや客室ともに快適ホテルステイを約束されたクオリティーである。
「ハイアット リージェンシー 福岡」のエレベーターホール
客室はシンプルながら洗礼されたデザインを採用
ピラミッドにスフィンクスまで!
ピラミッドを上から見下ろすとこんな感じ
荘厳さすら感じる印象的な建物。一歩ロビーへ足を踏み入れると円形の吹き抜けに圧倒される。天井まで42mという吹き抜けを見上げると、何やら黄金に輝く三角形が。よくよく見るとピラミッド!? そう、ピラミッドを底部から見上げた形になっているのだ。
頂上の真下、すなわちロビーの中心から見上げるとまた迫力があり、思わず「お~」とうなってしまったが、その時不思議な体験をした。「おぉぉ」と声が反響して聞こえる!? もう一度発声してみると、エコーとは言えないまでも確かに自分の声が響いて聞こえるのだ。驚きのあまり隣にいる人に確認したものの、「いつも通りの声だよ」と言われてしまった。
そう。ロビーの中心に立った者だけに自身の発声がエコーがかったように響いて聞こえるようになっているのだ。「エコーを狙った仕掛けなのか? 」とスタッフに確認してみると、「設計者がどのような意図で計算したのかは不明なのですが、ホテルとしても驚いています」とのことだった。
ホテルのある建物自体は、20年前に著名建築家マイケル・グレイヴス氏によって設計されたもので、全体図を俯瞰(ふかん)すると、何とスフィンクスの形をしている。スフィンクス、ピラミッドパワー、ロビー中心の不思議体験何やらパワースポット的なオーラを感じずにはいられない!
「ハイアット リージェンシー 福岡」そのものがスフィンクスの形になっている
調べてみると、やはりというか、知る人ぞ知る密かなパワースポットとの噂が。中には、ここを訪れた女性が好きな人の名前をロビーの中心でささやくと恋愛が成就する、という恋のおまじない的なものもあった。ホテルロビーの中心で愛をささやく……映画やドラマにもなった『世界の中心で、愛をさけぶ』が”セカチュー”なら、ここは”ホテチュー”だろう。
筆者が訪れた時、ロビーに面するカフェではたくさんのカップルが楽しそうにお茶を楽しんでいたが、ひょっとしたら彼らもまた、ホテルのパワーに守られていたのかも。あなたも「ハイアット リージェンシー 福岡」で不思議体験なんていかがだろうか。
※記事中の情報は2015年3月取材時のもの
筆者プロフィール: 瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)ホテル評論家、旅行作家。オールアバウト公式ホテルガイド、ホテル情報専門メディアホテラーズ編集長、日本旅行作家協会正会員。ホテル評論家として宿泊者・利用者の立場から徹底した現場取材によりホテルや旅館を評論し、ホテルや旅に関するエッセイなども多数発表。テレビやラジオへの出演や雑誌などへの寄稿・連載など多数手がけている。2014年は365日365泊、全て異なるホテルを利用するという企画も実践。著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)、『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)などがある。
「ホテル評論家 瀧澤信秋 オフィシャルサイト」