社会そのほか速
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昨年末、将棋のプロ編入試験に合格し、戦後最年長、41歳でプロ入りを決めた。「12月までは普通に働いていたのに。この1カ月で人生はすごく変わりました」。「ご挨拶がてら」今年の年賀状はほぼすべてのプロ棋士に出した。
今泉健司氏(いまいずみ・けんじ、41歳)
長く険しい道のりだった。プロ養成機関の奨励会に14歳で入会。プロ入り目前で年齢制限(26歳)の壁に阻まれた。アマ大会で活躍し33歳で再び奨励会に編入したが、またも届かず。「自分では落ちている感覚はなかった。いい意味でも悪い意味でも鈍いんでしょう」
その後、携わった高齢者施設での仕事が自身を変えた。「人の死に直接触れる職場。明日が普通に来るとは限らない。精いっぱい生きて楽しまないと」。プロ編入試験は職場の人々など大勢に応援され「一人で戦っている感覚はなかった」。奨励会入りから27年かけての大願成就。試験合格直後、目を潤ませて皆に「ありがとう」の言葉を伝えた。
介護の仕事は昨年限りで退いた。春に出版する自伝を準備しながら、対局が始まる新年度を待つ。「まだ実感はあまりない。実際に将棋を指さないと。一局でも多く勝って大活躍したい」。プロ入りはゴールではない。目標はタイトルだ。羽生善治王座(44)ら“羽生世代”と年齢はそう変わらない。「どこまでも頑張ればチャンスはある」
[日本経済新聞夕刊2015年2月13日付]
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