社会そのほか速
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親の家の片付けを始めたものの、あまりのモノの多さに、憂鬱(ゆううつ)な気分になってしまう人も多いようだ。
東京都の会社員男性(56)はこの1年、月1回のペースで自宅近くの両親のマンションに通って、片付けを続けている。「ようやく半分ぐらい処分できましたが、まだまだ」
8年前、愛媛県に住んでいた両親の体調が悪化し、東京に呼び寄せた。住居は転勤族だった父が所有し、一時期住んでいた3LDKのマンション。家具や家電は一通りそろっていたのに、愛媛県から家財道具一式を持ち込んだ。
テレビ3台、掃除機4台、大量の鍋や食器。何組もの布団や座布団。部屋はモノであふれ、物置状態になった奥の部屋は、ドアを開閉できるスペースが残っているだけ。
家が片付かないまま、両親は相次いで要介護状態になり、昨年2人とも介護施設に入所。そして今春、父が亡くなった。マンションの中は「どこから手をつけていいのか分からない」状態になっていた。
とりあえず不用品をゴミ袋に入れたが、回収日でなければ出せない。そこで、車に積めるだけ積んで家に持ち帰って、回収日を待つ。賞味期限の切れた缶詰や調味料はそのままでは捨てられないので、一度開けて、液体を布や紙に吸わせ、中身と容器を分別して処分しなければならない。日記や写真など思い出の品も出てきて手が止まる。「こんなに大変だとは思わなかった」
◎
「モノの多い家は、とにかく手がつけやすく、親の抵抗が少なそうなところから始めてください」とアドバイスするのは、「親の家をどう片づける」(実業之日本社)の著者で生前整理アドバイザーの上東丙唆祥(ひさよし)さん。
もし親の家に、自分の部屋が残っているなら、そこから取り組むのが自然で楽な方法だという。1部屋でもきれいになればやる気が出るので、そこから1部屋ずつ片付けを進めていけばいい。
「まだ使えるかも」と思うと、いつまでたってもモノは減らない。「使えるか使えないかではなく、要るか要らないかで判断してください」。家具や家電など大きなものは、ノコギリで小さく切ったり分解したりして、分別してビニール袋に入れれば回収に出せることが多いので、自治体の規則を確認するとよい。アルバムは、写真をはがしてまとめておけば、物量がぐっと減る。
さらに上東さんは、「押し入れは一番最後に手をつけて」と注意を促す。押し入れを片付けても、部屋が片付いていないように感じるため達成感がない。さらに不要なものばかり詰まっていることが多く、要不要の判断が未熟な時に手をつけると、時間がかかってやる気を失ってしまうという。
手に負えないと感じたら、業者に頼むのも一つの手だ。経験者に信頼できる業者を紹介してもらうのが一番いい。そうでないなら、複数の業者から見積もりを取ってじっくり比較してから決める。
「見積もりに来て、すぐに作業をしたがる業者は要注意。下見をしてもらう際にも、一緒について歩き、金目のものを持って行かれないように気を付けてください。親子や兄弟などできるだけ複数で対応しましょう」と上東さんは話している。
片付けを円滑に進めるには
▼庭やベランダから片付けると気持ちが良く、防犯対策にもなる
▼使えるかどうかではなく、必要か不要かを判断して処分する
▼大きな家具を片付けると空間が生まれ、すっきりする
▼1部屋ごとに進めると達成感がある。衣類、紙類など種類別に進めるとゴミの回収日に一気に捨てられる
▼処分に悩んだ時は、写真に撮って保存する
(上東さんの話を基に作成)