社会そのほか速
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ほんのちょっとしたきっかけで、人間の内奥に潜む暗部が露わになる。それほど意識しなくても、人間のとった行動の些細なことが、悲劇につながる。もちろん、時代背景が、そこに横たわっている。台湾のエドワード・ヤンが、1986年に撮った「恐怖分子」(フルモテルモ、コピアポア・フィルム配給)は、そのような映画だ。このほど、デジタルリマスター版でよみがえる。1996年の日本公開以来、19年が経過している。
タイトルに「恐怖」とあるが、いわゆるホラーではない。ある意味、ホラーより心理的には、「恐い」映画かもしれない。エドワード・ヤンは、孤独や不安を抱える人間たちに接近する。色褪せていない。現代でも、未来でも、台湾だけでなく、世界のどこでも通用するテーマと思う。すでに30年ほど前、エドワード・ヤンが描いたのは、台湾経済が大きく変動する時期である。台湾元の対ドル・レートの切り上げや輸入の自由化が行われた時期にあた…続きを読む