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【AFP=時事】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」に対し、ナイジェリアの過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」が忠誠を表明したことについて、専門家は、ISの新たな支援者を引き付ける能力が増していることを示すものだと分析する。
ボコ・ハラムがISに忠誠を表明
■系列組織の拡大
昨年6月、ISがイラクとシリアの広域を掌握して「カリフ制国家」の樹立を宣言し、世界の注目を集めると、すぐさま幾つかの地元イスラム過激派組織がISへの参加を表明した。それ以降、アルジェリアやアフガニスタン、インドネシアといった遠方で活動する過激派組織がISに忠誠を誓ってきたが、これまでISの支配が及ぶ範囲は、イスラム教スンニ派(Sunni)のアラブ系住民が多く住む地域の大部分を掌握し続けているイラクとシリアが中心だった。
中東情勢に詳しいピーテル・ファン・オスタイエン(Pieter van Ostaeyen)氏によれば、この2か国にまたがるIS支配地域には約800万人が住んでいるという。
一方、米ブルッキングス研究所(Brookings Institute)のルアイ・ハティーブ(Luay al-Khatteeb)客員研究員は、IS支配地域に暮らす人々の数を「600万~700万人」と推定。ISが「強力な大軍」を維持するのに十分な人員を、支配地域の住民の中から調達できる状態にあると指摘する。
ISは支配地域に厳格な情報統制を敷いており、動員可能な戦闘員の数をうかがい知るのは事実上不可能であり、その推定人数には幅がある。
ハティーブ氏は戦闘員数を8万人、うち2万人が外国人と見積もるが、カーネギー中東センター(Carnegie Middle East Center)のダリア・ガネムヤズベック(Dalia Ghanem-Yazbeck)氏は、実際の数は言われているよりもずっと少なく「最大でも2万5000人」だとみる。資金力や資金源についても、実情の分析は同様に困難だ。
■ブランド化する「IS」
米軍主導の空爆や、イラク軍と民兵・志願兵などによる反撃を受け、軍事面では劣勢に回っているものの、ISにはまだ参加者を引きつける強い影響力がある。
ソーシャルメディアや洗練された動画制作力を活用することで、ISは自らを一種のブランドへと変貌させたと、ガネムヤズベック氏は指摘する。「コカコーラ(Coca-Cola)やマクドナルド(McDonald’s)などと同様に、人々を魅了する商標として機能している」
「彼らの真の強さは、バーチャルな世界、オンライン、ユーチューブ(YouTube)上にある。敗北するとほぼ毎回ショッキングな動画を公開するため、われわれは彼らについて語る。これは、武力による敗北を補填する手段となっている。」【翻訳編集】 AFPBB News