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2015年4月10日、タイに進出する日本の飲食店の中でも特に成功した焼き鳥店『鳥波多゛(とりはだ)』を紹介する。
【その他の写真:鶏肉そぼろのごはんなど、焼き鳥以外のメニューも充実している。日本人客が最も多いが、タイ人や欧米の客も少なくない。】
和食ブームのタイには日本料理店が無数にあり、競争が激化している。例え日本の有名店でもバンコクでは苦戦を強いられるほど厳しい状況の中、東京で人気の『鳥波多゛』は今、絶好調のようである。
東京の本店では契約農家から軍鶏を仕入れて提供している。日本で人気の地鶏のひとつである軍鶏はタイのかつての名称「サイアム」から名付けられたとされ、ルーツもまたタイであるという。
しかし現代のタイでは軍鶏の本場であっても入手が困難になっている。軍鶏は成長が遅いので量産には向いていないという現実があるのだ。『鳥波多゛』のバンコク店も同様で、使っているものはどうしてもブロイラーなどになってしまう。
そのため多くの日系焼き鳥店は一般市場の鶏肉を使って安く商売をするか、契約農家から少量を仕入れ高くするかになる。
しかし『鳥波多゛』は他とは違う手法で肉を仕入れることに成功した。それは急成長を続けるタイのアグリビジネス企業「ベタグロ」と直接契約し、『鳥波多゛』だけのために仕分けた鶏をその場で部位ごとに真空パックにすることだった。専用ラインで職人がレバーやもも肉など各部位に分け、すぐに出荷されるので、生で食べることができるほど新鮮な肉を仕入れることができている。
バンコク進出で大成功を収めた理由のひとつにこういった影の努力があったことは間違いないだろう。
【執筆:高田胤臣】