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[写真]ボコ・ハラムが襲撃したとみられるナイジェリアのモスク(ロイター/アフロ、2014年11月)
なぜこのタイミングの忠誠なのか
2014年7月、ボコ・ハラムの指導者アブバカル・シェカウ容疑者はISを「支持する」と述べましたが、それ以来「忠誠を誓う」とは明言してきませんでした。その活動を承認するという「支持する」と、その傘下に収まるという「忠誠を誓う」は、全く意味が違います。なぜ、ここにきてボコ・ハラムはISに忠誠を誓ったのでしょうか。
考えられる原因としては、ボコ・ハラムがやや苦しい状況にあることがあげられます。ボコ・ハラム掃討には周辺国も協力しており、2月4日のチャド軍の攻撃で、ボコ・ハラムの戦闘員200人以上が死亡しました。その後、カメルーン、ニジェールなどもナイジェリア軍との連携を強めています。
ボコ・ハラムは2011年頃から、アルジェリアを拠点とするイスラム・マグレブ(北西アフリカ)のアル・カイダ(AQIM)など、ISと敵対するアル・カイダ系組織から支援を受けてきました。その後、ボコ・ハラムがIS支持を表明したのは、敵対するISとアル・カイダのどちらから、より多くの支援を得られるかを天秤にかけたものとみられます。
しかし、周辺各国の部隊による攻撃が激化するなか、アル・カイダ系組織の支援が強化されたという報告は確認できません。一方、リビアに拠点をもったISは、ボコ・ハラムと人的な繋がりがあるといわれます。
その上、3月28日には、延期されていたナイジェリア大統領選挙が行われる予定です。2月14日に実施する予定だった選挙は、ボコ・ハラムによる攻撃が激しくなったことを理由に延期されていました。これはボコ・ハラムにとって、いわば絶好の宣伝材料なのですが、延期されていた選挙が問題なく実施されれば、それは逆にナイジェリア政府にとっての功績になります。
こうしてみると、ボコ・ハラムには、活動を活発化させるうえで、このタイミングでISに忠誠を誓うことが欠かせないという判断があったものとみられます。
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