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地球から93億光年離れた銀河内で起きた超新星爆発が四重に見えるのを、ハッブル宇宙望遠鏡の撮影画像から発見したと、米カリフォルニア大などの国際研究チームが6日付の米科学誌サイエンスに発表した。銀河の手前、約50億光年先にある銀河団の強い重力がレンズの役割を果たしているため。この「重力レンズ効果」で過去に銀河などの多重像が見つかっているが、超新星の四重像は珍しい。
超新星爆発は、重い恒星が寿命を迎えて爆発し、明るく輝く現象。四重像は昨年11月の撮影画像から見つかり、詳細な分析の結果、手前の銀河団自体が一つの大きなレンズとなる上、銀河団を構成する個別の銀河も小さなレンズとなっていることが分かった。
このダブル効果により、超新星の光はさまざまなルートをたどって地球にたどり着き、多重に見えるだけでなく、数年から十年間隔で何回も見えることが判明。約20年前にも見えたと考えられるほか、今後10年以内に再び見える可能性が高いという。
大きな銀河や銀河団には、重力を持つが望遠鏡で直接観測できない謎の「暗黒物質」が分布しており、レンズ効果に貢献している。多重像の観測は、逆に暗黒物質の解明を目指す研究にも役立つという。