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【ワシントン和田浩明】米国務省のヌーランド次官補(欧州・ユーラシア問題担当)は10日、上院外交委員会の公聴会で証言し、ここ数日間にロシアが新たに戦車や装甲車、重砲やロケットなどをウクライナ東部に搬入し、親ロシア派武装勢力に供与したことを明らかにした。2月にウクライナ、ロシア、親露派代表などが締結した停戦合意の「精神と文言に反する」行為だと非難し、数日以内の戦闘停止と重火器の撤収、全欧安保協力機構(OSCE)監視団の視察の自由の保障を要求した。
ヌーランド次官補によると、停戦順守状況は全体的に改善し、重火器の撤収もウクライナ政府軍を中心に進んでいるという。だが、9日もウクライナ東部の港湾都市マリウポリ周辺や主要工業都市ドネツクなどで砲撃が続いたとして懸念を表明した。
公聴会では野党・共和党のコーカー委員長、民主党幹部のメネンデス議員ら多くの議員がウクライナ政府に対する防衛用兵器の供与を改めて要求した。しかし、国防総省のマケオン筆頭副次官は「積極的に検討中」と説明するにとどめ、決定のタイミングにも言及を避けた。
オバマ政権は欧州と連携したウクライナ危機の外交的決着を目指しており、武器供与による事態の深刻化は避けたいのが本音だ。ヌーランド次官補は「停戦合意が履行され、ウクライナ東部が平和になることが、ウクライナの人々にとり最良の希望だ」と述べ、現時点では事態の推移を見守る姿勢を強調した。シュルツ米大統領副報道官も10日、記者団に対し、米国による武器供与については「流血を拡大させるだけ」として消極的な姿勢を示した。