社会そのほか速
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【ブリュッセル斎藤義彦】昨年2月以降のロシアによるウクライナへの介入を受け、北大西洋条約機構(NATO)の最高軍事機関・軍事委員会とロシア軍のトップ同士の定期的な電話連絡が昨年5月を最後に途絶えていることが分かった。ベルギー南部モンスにあるNATO欧州連合軍最高司令部に常駐していたロシアの連絡要員も昨年4月以降撤収しており、NATOとロシア軍は事実上の断絶状態になっている。
複数のNATO外交筋が毎日新聞に明らかにした。ウクライナ危機以降、NATOとロシアはバルト3国周辺などでそれぞれ軍事演習を活発化させたが、双方の間には直通の「ホットライン」も存在せず、偶発的な軍事的衝突を危惧する声もある。
ウクライナ危機以前はNATOはロシアとの信頼関係構築に努め、双方は2013年に定期的な電話連絡をすることで合意した。しかし昨年5月にNATO軍事委員会のバーテルス議長とロシア軍のゲラシモフ参謀総長が電話して以来、この連絡は途絶えたという。
NATO軍とロシア軍の間には、24時間態勢で直接連絡が取れるホットラインもない。昨年12月のNATO外相会議の際、ロシアとの連絡緊密化を訴えるドイツなどがホットライン設置を提案したが、対露強硬派の東欧諸国などが反発し、合意できなかったという。
ロシアは今年1月、英仏海峡に戦略爆撃機を飛行させ、英戦闘機が緊急発進した。露機は飛行計画も出さず、航空管制に必要な自動応答装置も切っており、民間機が識別しにくい状況だった。ロシアはバルト3国やノルウェー付近でも戦略爆撃機や戦闘機を飛ばし、NATO側が昨年、こうした飛行を前年の1・5倍の400回以上確認した。昨年12月には、露軍機がスウェーデンで民間機とニアミスも起こしている。
米シンクタンク「ジャーマンマーシャルファンド」のレッサー上級執行研究員(安全保障)は「冷戦期の方が頻繁に連絡が取れておりまだ安定していた。現在は偶発的衝突の危険がある」と指摘している。