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戦後70年の「慰霊の旅」としてパラオを訪問中の天皇、皇后両陛下がペリリュー島で戦没者に供花された9日、県内でも松阪市飯高町の水屋神社にある六角堂で、関係者らが祈りをささげた。
参加したのは、父が同島で陸軍医を務めた名張市の吉住佳代子さん(70)と、憲法学者で同神社の宮司だった兄が同島へ慰霊の訪問を続けたという津市の宮崎和子さん(59)ら。戦没者を追悼するとともに、両陛下の訪問を亡き父と兄に報告した。
吉住さんの父、上島英義さんは1944年4月、軍医として派遣されていた満州(現中国東北部)からパラオに転戦し、ペリリュー、アンガウル両島で負傷した兵士を治療。45年12月に帰還し、名張市で小児科医になった。吉住さんには、当時について多くを語らなかったが、「慰霊に行けずに年を取ってしまった。代わりに行ってくれへんか」と慰霊を頼み、2006年12月に90歳で亡くなった。
宮崎さんの兄、久保憲一さんは鈴鹿市の鈴鹿国際大学(現鈴鹿大学)で憲法や政治学を研究。昨年8月に64歳で亡くなるまでに、学生らとペリリュー島を5回訪問した。宮崎さんに「パラオの人たちは、島民の命を守った日本人の思いやりあふれる行動について、よく話をしてくれた」と繰り返し語ったという。
慰霊を終えた吉住さんと宮崎さんは「2人も両陛下のパラオ訪問を喜んでいることでしょう。悲惨な戦争を経て享受している平和を、私たちがどう守っていくか今後も真剣に考えていきたい」と話していた。