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◇千利休・与謝野晶子テーマ「利晶の杜」
堺出身の茶聖・千利休と歌人・与謝野晶子をテーマにした文化観光施設「さかい利晶(りしょう)の杜(もり)」が20日、堺市堺区の旧市立堺病院跡にオープンする。利休の茶室を体験できるほか、晶子の生家も再現。市は外国人観光客を中心に年間20万人の来館を見込んでおり、市民も「もてなしの心を伝えたい」と盛り上がっている。(山崎茂)
■英語で茶の湯
「Thank you for going before you(お先にいただきます)」。2月下旬、堺区の堺山之口商店街で、「茶の湯」の所作を英語で説明する研修会が開かれ、40~70歳代の市民20人が熱心に発音を繰り返していた。
利晶の杜のオープンに合わせ、外国人観光客に茶の湯文化を理解してもらおうと、堺観光ボランティア協会が企画。昨秋から計7回、英語版の茶道解説本を読むなどして練習を重ねてきた。
参加者は利晶の杜周辺で観光案内をする予定で、同市北区の三木修さん(65)は「奥深い茶の湯を外国人に伝え、日本文化の魅力を理解してほしい」と意気込む。
■世界観を体験
利晶の杜は鉄筋2階建て延べ3500平方メートルで、総事業費36億円。1階は利休が設計した茶室「待庵(たいあん)」を再現し、佗茶(わびちゃ)の世界観が体験できるほか、実際に茶の湯を楽しめる茶室も備える。
2階の「与謝野晶子記念館」は、JR堺市駅前にあった与謝野晶子文芸館を引き継いだもので、晶子自筆の書簡や愛用していた家具など1700点を所蔵。新たに和菓子商を営んでいた実家・駿河屋を再現した展示も設け、晶子が孫を抱いた様子などの8ミリフィルムを上映するコーナーもある。
■相乗効果
今月1日には、利晶の杜や仁徳陵古墳など市内の観光スポットを巡る周遊バス「堺まち旅ループ」の運行が始まった。土日祝日限定で、運賃は一律220円。南海堺東駅を起点に市内23か所の停留所を約1時間かけて回る。
阪堺電軌も1日から、利休と晶子の肖像画を車体にあしらった車両の運行を始め、盛り上げに一役を買う。
近くの堺山之口商店街周辺では20~22日、与謝野晶子ゆかりの物産展やグルメ市が開催される。
市観光企画課は「利晶の杜を中心に堺の文化の魅力を発信し、市内の観光スポットへの相乗効果も期待したい」としている。
開館は午前9時~午後6時。入館料は大学生以上300円、高校生200円、小中学生100円。問い合わせは(072・260・4386)へ。