社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
2016年春に卒業予定の大学生を対象にした合同企業説明会が14日、津市の三重大学で始まった。経団連が定めた「採用選考に関する指針」で、会社説明会の解禁が3か月繰り下げられ、就職活動は短期決戦となる。景気回復の動きが見られる中、優秀な学生を確保したい企業の意欲は強く、学生と企業の双方から戸惑いの声が上がった。(吉富萌子)
同大では指針を踏まえ、これまで12月に開いていた企業説明会を3月に変更。18日までの5日間で県内外の企業計540社が参加する。14日は午前と午後の部に、リクルートスーツに身を包んだ学生計約1000人が集まり、各企業のブースで担当者の説明に耳を傾けた。
津市の三重交通はブース内に10個の椅子を用意したが、開会後すぐに席はなくなり、立ったまま説明を聞く学生も。20人前後の採用を予定しているといい、担当者は「学生に興味を持ってもらおうと採用情報の広報を強化しているが、他社の動向が気になる」と話す。四日市市の食品メーカー太陽化学の担当者は「3か月遅らせることに、企業も学生もメリットを感じていないのではないか」と疑問を投げかけた。
学生の思いも複雑だ。秋の公務員試験も考えているという人文学部3年の田名瀬絢香さん(21)は、「企業の選考と試験勉強の時間が重なるので厳しい。変更されたばかりで焦りだけがある」と戸惑う。工学研究科1年の前嶋悠佑さん(23)は「企業も学生も手探り状態で、実際に採用活動全体がどう進むか分からない。早く内定をとって、研究に集中したい」と打ち明けた。
同大就職支援チームの河村俊男さんは「解禁繰り下げにより、自己分析や企業研究などにじっくり取り組むことができる」とする一方で、「公務員や教員の採用試験との併願が難しくなる。企業の選考日程に関する情報が交錯し、混乱も懸念される」と話していた。