社会そのほか速
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◇社団法人 8月開設へ
◇ボランティア派遣の司令塔
2005年度末で閉校した旧県立矢掛商業高校の跡地(矢掛町矢掛)が8月、防災関連施設に生まれ変わる。一般社団法人が所有者の町から無償で借り受けて整備。災害時にボランティアの活動拠点とするほか、防災研修も行うという。(冨浪俊一)
跡地は敷地面積約1万7600平方メートルで、町が公共目的で利用するとの条件で県から取得。鉄筋3階建ての校舎2棟(計約5300平方メートル)と鉄筋2階建ての体育館(約2600平方メートル)などが残り、いずれも耐震補強工事を終えている。
理学療法士を養成する専門学校の誘致を断念した08年以降、利用計画がまとまらずにいた。そんな中、過去に大きな災害がなく、南海トラフ巨大地震で津波被害を受けない点に着目した一般社団法人「バート・インターナショナル」からの申し出を受け、「バート未来防災研究所」の名称で整備することが決まった。
同法人は、東日本大震災を機に、オートバイで被災地入りして支援する緊急災害対策チームと連携。災害発生時には、登録したボランティアを派遣する“司令基地”の役割を担い、緊急宿泊地として数百人規模で被災者を受け入れる。
国際医療NGO「AMDA(アムダ)」(本部・岡山市)と連携し、医師団の拠点とすることも検討。平時は、専門家による防災研修や緊急時の安否確認・避難所管理・緊急救援情報などのシステム整備などに取り組む。
さらに、地域活性化にも協力。一部を民間企業のサテライトオフィスとして開放し、地元企業と共同で防災関連商品に開発・製造にも着手する。県立矢掛高校と連携し、インターネットによる学習支援にも取り組むとしている。
山野通彦町長は「町が活性化するように、防災だけでなくまちづくりや産業振興など幅広い取り組みに期待したい」と語る。1977年にバイクの350ccクラスで日本人初の世界チャンピオンになり、緊急災害対策チームを設立した同法人の片山敬済代表理事は「この施設は今後全国的に整備を考えている新たな防災拠点の司令塔になるだろう。まちづくりにも寄与したい」と話す。