社会そのほか速
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『BizLady』では、各界で輝かしく活躍している女性のみなさんに、ゲストライターとして寄稿いただいています。今回のゲストライターは、前回に引き続き、女性のビジネスリーダー輩出を目標に “女性限定のビジネススクール”を設立した、日本女子経営大学院学長の河北隆子さんです。(編集部)
(前回記事はこちら)
■価値観をくつがえした大事故
外資系人材派遣会社に勤めていた頃のこと。ある日私は首都高速道路で玉突き事故に巻き込まれてしまいました。後から車が前方不注意で追突してきまして、車は一瞬で炎上して火だるまになりました。当時新聞にも乗ったほどの大事故でした。
私は大変な火傷をおって生死の境をさまよいました。幸い一命はとりとめましたが、顔も手も火傷で腫れ上がって、ひどい状態となり、しばらく入院生活を送ることになりました。
結局、私はこの事故で仕事を辞めることになったのですが、同時に今までの生き方や仕事観を問い直す、大きな転機となりました。夫婦のこと、仕事のこと、そしてこれまでの生き方そのものを、見つめることができました。今まで仕事が忙しいという理由で、分かろうとしなかった人の優しさやありがたみに気づかされ、そして本当の豊かさ、幸せって何だろう、と深く考えました。一方で、自分さえ頑張れば報われる、頑張れば順風満帆に行くのが当然、と考えていた自分の傲慢さにも気づきました。
その後、フリーランスのコンサルタントとして独立し、仕事に復帰しましたが、事故に遭ったことで、それまでの自分の仕事観、もっと言えば人生観までが大きく転換していました。事故にあったことは不幸でしたけれど、そのおかげでしっかり立ち止まる機会を得られたのです。
■“自分のボート”を自分で漕ぐ喜びを
私は、仕事においてビジョンを成し遂げるために必要なのは、“自分のボートは自分で漕ぐ”ということ、その喜びを知ることだと考えています。大事なのは、何のために漕ぐのか、どこに向かうのかを考え抜いて、行動することです。そして待つのではなく、自分から始める構えを持つこと、失敗も歓迎することです。
相手の笑顔が自分の笑顔に、それが周囲の笑顔につながって、一気に世界を変えることができると信じられる楽観性も必要です。笑顔にあふれたプロセスは成長を生み、その成長は確かな結果を創り、継続的成長に貢献し続けます。
私は遅咲きで、40歳を超えてから会社を立ち上げたのですが、多様性を念頭におき、自分とは違う性別・年代・バックグラウンドを持った、自分とは異なる人と組もう、多様性を活かせるチームで仕事をして、もっと世界を広げようと決めていました。…