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中国財政省は12日、中国が設立を主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に英国が参加の意向を表明したと発表した。主要7カ国(G7)の参加は初めて。中国の影響力拡大を懸念する日本と米国はAIIB構想に距離を置いているが、英国の参加により、カナダなどほかの西側諸国が追随する可能性がある。
AIIBは、アジアなどへのインフラ建設資金の融資が目的で、資本金は1000億ドル(約12兆円)。大半を中国が出資する見込み。昨年10月に設立準備会合が開かれ、当初の参加国は、東南アジアや中東、中央アジアなどの21カ国だったがその後、ニュージーランドなどが加わり、27カ国に拡大していた。
日米欧が中心となっている国際通貨基金(IMF)や世界銀行、アジア開発銀行(ADB)など既存の国際金融機関に中国は強い不満を持っている。英国の加入をてこに中国は、AIIBの国際的な信用力を高め、IMFなどに対抗できる国際金融機関にすることを目指す。
英国は、国際金融都市・ロンドンを人民元の海外取引拠点に育てるなどの目標を掲げている。AIIB参加を通じて、中国との関係強化を狙う。AIIBの資金調達がロンドンで行われれば、金融業界に巨額の手数料が落ちるメリットもある。オズボーン財務相は12日、「主要西側諸国で最初の創設メンバー候補になったことをうれしく思う」との声明を発表した。
一方、ADB総裁ポストを握る日本や、「既存の国際金融秩序への挑戦」と警戒する米国は参加を見送っている。国際金融界で、IMFなどと、英国も参加したAIIBとの主導権争いが激しくなりそうだ。【北京・井出晋平、ロンドン坂井隆之】