社会そのほか速
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高齢化社会で他人事ではなくなった「介護」でも、陥りやすい落とし穴はあちこちにあるという。法律相談サイト「弁護士ドットコム」に寄せられた中から元榮太一郎代表がお答えします。
■要介護となった実父が後妻に追い出されました
【相談内容】
80歳の父が要介護の状態になったのですが、後妻(80)は父に何の断りもなく、自宅の名義を自分に書き換え、父の預貯金や年金を握ってしまいました。後妻は私たちに相談もなく、父を自宅から追い出して老人施設に入所させました。当初、施設の費用は後妻が振り込んでいましたが、最近になって支払いも滞りがちになりました。
現在、長男である兄(52)と私(49)が施設との連絡や通院の付き添いなどをしていますが、経済的な部分までとなるとかなり苦しく、このままでは破綻が目に見えています。後妻から父の財産を取り戻すことはできるでしょうか。
【回答】
自宅の名義変更については、その理由が父から後妻への贈与であれば、今から取り戻すのは難しいかもしれません。ただし、後妻が勝手にしたことだとわかれば、名義を戻すように請求することは可能です。また、父名義の預貯金についても返還を請求したり、年金については受取口座の変更をしたりすることも有効でしょう。
このような請求をできるのは父本人ですが、「後見人」「保佐人」「補助人」などの制度を利用すれば、相談者の方でも請求することができます。というのも、後見人を選任すれば、本人の療養介護や財産管理について、後見人が権限を持つことになります。後見人は、介護施設との契約を行うこともできますし、預貯金などの財産の管理も行うことができます。高額の財産を誰かに売り払ったり、贈与したりすることを防ぐことができます。
相談者のケースでいえば、相談者が後見人に選任されれば、父親の適切な介護や財産管理をすることができ、介護や財産管理を、後妻の手から離すこともできます。
これらの制度は、本人の判断能力が低下していなければ利用できませんが、検討してみるといいのではないでしょうか。
※週刊朝日 2015年3月13日号