社会そのほか速
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メジャーから日本球界へ復帰した黒田博樹投手。西武ライオンズ元監督の東尾修氏は、その実力に感心したという。
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広島の黒田博樹はどうなのか。2月25日のフリー打撃での登板を映像で見たが、さすがメジャーで一線級という部分がたくさんあった。日本のマウンドにも非常にいい形で対応できると思うよ。
その理由は、下半身をしっかりと沈み込ませるように粘って捕手方向へと体重移動ができていることだ。これなら左足を柔らかく使えるよ。メジャーのマウンドと土質が異なる日本のマウンドは、踏み出した左足の着地が5センチ前後ずれる。ずれても、必ずピタッとくる場所があり、そのときまでしっかりと移動を粘れる。もし、左足が上からバタッとつくと、左足を柔らかく使えないから、ズルッと動いたときに前後左右へのブレが出てしまう。
ソフトバンクの松坂大輔もそうだが、7年、8年とメジャーのマウンドに慣れた投手にとって、日本のマウンドにどう適応するかは大きな課題となる。ある程度クリアできないと、自分のボールが投げられない。シーズン中も試行錯誤を続ける必要はあるが、足元への不安が続けば、打者への対策と同時並行で修正を進めなければならない。
沖縄のマウンドはまた、砂に近い部分もある。この時点でしっかりと、左足の着地からスムーズに動いているのなら、本拠地球場に戻れば、もっとガチッと止まってくれる。オープン戦で手応えを得られれば、黒田は次の作業へと入れる。
黒田の場合、ポイントとなるのは、ストライクゾーンの中で勝負するメジャー時代のスタイルをどう考えるかということだろう。メジャーの打者は自分の形を崩さず、力を入れて振る。だから、速くて鋭い変化をさせた場合、バットの芯をずらして凡打に打ち取れる。だが、日本の打者は違う。形は少々崩れても芯に当てる技術がある。最初から「まともな速球が来ない」と判断すれば、打者も対処の仕方が広がる。ストライクからストライクの球は日本の打者はしっかりと対応してくるよ。よりフォーシーム(通常の直球)を投げ、ツーシームやカットボールと織り交ぜていくことも必要になるだろう。
ボール球の使い方もある。メジャーでは100球という球数の中で、どれだけ長いイニングを投げるかが先発として求められた。多少の失点よりも、クオリティースタート(6回以上自責点3以内)が評価されるのがメジャーだ。だが、日本は違う。降板時に勝っている状態でバトンを渡すことが重要。…