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重力に負けず、生物が立体的な体を形作るメカニズムについて、東京医科歯科大学などのグループは、突然変異で体の組織が平らにつぶれた「扁平(へんぺい)メダカ」を使って、立体的な臓器を作るのに必要な遺伝子を特定したと17日発表した。iPS細胞を使った再生医療にも結びつく成果として期待が寄せられている。
東京医科歯科大の仁科博史教授や英バース大学などのグループは、2004年の研究で発表した突然変異体のメダカに着目。重力に負けて背骨などの組織が平たくなったこのメダカは、組織や臓器の配置にも異常が見られた。
扁平メダカの遺伝子解析を行ったところ、臓器などの大きさを制御するたんぱく質「YAP」を作り出す遺伝子に変異が起きていることを突き止めた。
さらに正常なメダカの受精卵にYAPたんぱく質の働きを失わせる操作をした結果、YAPたんぱく質が無くなると、細胞張力が低下して重力に勝てなくなり、臓器を立体的に形作る組織が崩壊して扁平メダカになることがわかった。
実験の結果から研究グループは、YAPたんぱく質を作る遺伝子には、細胞間の骨組みを作って、細胞張力をコントロールし、臓器を正しい位置に配置する働きがあると結論付けた。
研究グループは「細胞張力をコントロールするメカニズムはヒトにも存在することがわかった。100年以上謎だった脊椎動物の臓器が立体的な構造を作る仕組みの研究を進めることで、iPS細胞を使って、眼球などの立体構造を持った臓器を作る再生医療に結びつく」と期待を寄せている。
なおこの研究結果は英科学誌「Nature」電子版に17日掲載された。