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各都道府県は4月、高齢化が進む2025年の医療需要を把握して効率的な医療を提供するため、「地域医療構想」の策定に着手する。軽症患者が医療費がかさむ重症向け入院ベッドを使うケースの解消や、在宅医療の推進、医療費の都道府県格差是正などを図る。
今国会に提出された医療保険制度改革関連法案は、18年度以降、都道府県が国民健康保険の運営主体(現在は市町村)になると定めている。
都道府県は4月以降、高齢化率や患者の傾向を踏まえ、25年時点で必要になる入院ベッド数などを絞り込む。25年には団塊の世代が全員75歳以上になり、その時点の想定より現状のベッド数が過剰なら削減を促す。
1人当たりの医療費(12年度)は都道府県格差が大きい。最高の高知(62.5万円)は、最低の千葉(40.1万円)の1.6倍。1人当たり医療費が高い地域は、人口10万人当たりの入院ベッド数も多い傾向にあり、最多の高知は最少の神奈川の3倍だ。
そこで厚生労働省は18日、都道府県による構想策定の指針を発表。療養病床(高齢者向けの長期入院施設)に入院している人の割合(入院率)を設定する際、「13年時点の最も低い県」に合わせることなどを求めた。
都道府県は、医療機関からどういう症状の患者向けにベッドを整備するか報告を受け、病状に応じてベッドを再編する。数が過剰な場合は病院に削減を要請するなど強い権限を持つようになる。
現在約39兆円の医療費は、25年には約54兆円に膨らむと想定されており、厚労省は在宅を中心に医療と介護、福祉を一体化した地域包括ケアシステムを進める。ただ、重症患者向けのベッド数を減らし、患者を軽症向けのベッドや在宅に誘導する方針は道半ば。「ベッド削減ありき」で進めれば、行き場を失う患者が相次ぐ可能性がある。【中島和哉】