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日本で働きながら技術を学ぶ「外国人技能実習制度」をめぐり、受け入れ先から失踪した実習生が4千人を超え、
過去最多となったことが6日、法務省への取材で分かった。平成26年までの10年間では約2万5千人が実習先に
無断でいなくなっている。多くの実習生が最低賃金水準で稼働しているが、残業代の未払いなど労働関連法違反は後を
絶たない。労働条件の厳しさが失踪増加の背景にあるとみられる。
実習生は勝手に転職できず、国内にとどまっている失踪者の大半は不法就労・不法在留状態にある可能性が高い。
法務省入国管理局の担当者は「深刻な問題と理解している」と話し、実態把握を急ぐ方針だ。
同局入国在留課によると、受け入れ団体や実習先から報告のあった失踪者数は、26年に4851人に達し、前身の
「外国人研修・技能実習制度」(5~21年)の時代を含めて最多となった。現行制度になった22年は1282人
だったが、23年以降は増加傾向が続き、25年は3567人だった。
公益財団法人「国際研修協力機構」(JITCO)がまとめた来日2年目以降の実習生の調査でも、25年度は前年
比84・2%増の2822人が行方不明となっている。国籍別では中国が60・6%を占め、ベトナムの26・6%が
続く。
同一の受け入れ団体や実習機関で失踪者が一定数に達すると、不正行為に当たるとして受け入れ停止処分を受ける。
入国管理局が23年以降に「行方不明者の多発」を理由に処分した事例はないが、ある受け入れ団体の関係者は「国が
把握できていない失踪者も相当数いる」と話している。
外国人技能実習制度 発展途上国の人材が最長3年の期限で、働きながら日本の技術を学ぶ仕組み。政府は途上国の
経済発展に資する国際貢献と位置付けているが、安価な単純労働力として外国人を利用しているとの批判がある。昨年
6月末現在の実習生は約16万2千人で、中国が最多の10万人超。昨年6月に閣議決定された新成長戦略で、職種
拡大や期間延長など抜本的見直しが明記された。
http://www.sankei.com/west/news/150307/wst1503070026-n1.html
http://www.sankei.com/images/news/150307/wst1503070026-p1.jpg