銀行業の免許がないのに第三者からの依頼で海外に事実上送金したとして、福井署と県警生活環境課は12日、銀行法違反(無免許
営業)の疑いでフィリピン国籍の福井市順化2丁目、風俗店従業員ロカス・ジェマ・ベホク容疑者(46)を逮捕した。「違反とは思わなかった」
と容疑を否認している。県警によると、いわゆる「地下銀行」を営んだ容疑での摘発は福井県内で初めて。
逮捕容疑は昨年1~11月、福井市内のキャバレーのフィリピン人従業員女性2人と、県外の日本人男性1人から同国への送金依頼
を受け、手数料を含む計52万5千円を受け取り、為替行為をした疑い。
県警によると、ロカス容疑者は当時このキャバレーに「ママ」として勤務。送金依頼を受けてフィリピンの共犯者に連絡し、この共犯者が、
所有するプール金の中から依頼金に見合う額を現地の受取人に渡していたという。銀行法では、無免許の者が第三者の資金を海外に
送金することを禁じている。
正規の銀行を通して海外送金するには比較的高額な手数料が掛かり、手続きも複雑なことから、従業員女性ら3人はロカス容疑者に
依頼したとみられる。県警は共犯者を捜すとともに、同容疑者が他にも不正送金に関与したとみて調べる。
このキャバレーをめぐっては、福井署などが昨年11月、入管難民法違反(不法残留)などの疑いで別の従業員の女2人と経営者らを
逮捕。同店への家宅捜索で今回の容疑が浮上した。
【地下銀行とは】
銀行法に基づく免許がないのに、第三者からの依頼で海外に送金する業者や行為。正規の銀行と異なり依頼者の本人確認が厳密で
ないことから、全国では、不法残留の外国人による利用や、犯罪収益金のマネーロンダリング(資金洗浄)に使われるケースがある。
警察庁によると、2013年に外国人が関わった地下銀行が摘発された数は全国で30件。
ソース(福井新聞) http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/accidentandincident/63933.html
写真=ロカス容疑者が勤めていたキャバレーを家宅捜索する捜査員=昨年11月22日、福井市内
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news0/photos/20150212211325_1119886756.jpg