社会そのほか速
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JR高円寺駅南側に延びる高円寺パル商店街。その一画に「会話お断りのカフェ」として知られる『アール座読書館』がある。その扉にはこんな張り紙が……。
「店内は静寂を楽しむ空間となっておりますため、他のお客様がいらっしゃる時は声高なお声、小声でも長いお話をお控えください」
強気な指示に面食らい、入店をためらう人がいるかもしれない。しかし、ここは緊張を解きほぐし、感覚を“開く”人のための空間。店内にはたくさんの木々が置かれ、水槽の水音が心地よく響いている。テーブルや椅子はアンティークで、席の大半は一人用だ。小声で飲み物のオーダーを済ませた後は、ゆっくりとした時間の流れに浸りながら、自分の世界に入っていくことができる。
【画像】店内の様子はこちらから
「静かな所でしばらく頭を休めていると少しずつ感覚が開いてきて、普段見過ごしているような微かなことが感じられるようになる気がします。なので、思考を止めて感覚を開ける場所があればいいなと思っていたのですが、そういう空間がないので自分でつくりました。店内に本を置いていますが、読書は感覚を開くのに有効な手段の一つに過ぎません」。そう話すのはオーナーの渡邊太紀(たいき)さん(45)。
渡邊さんが「会話お断り」という店のコンセプトを周囲に話した時、商売になるはずがないと言われたそうだ。渡邊さん自身も、こんな空間が受け入れられるのか不安だったという。戸惑う人がいるかもしれないと覚悟の上で、2008年にオープンしたが意外とスムーズに受け入れられた。大半の客は一人で来るが、2人連れでも一人は本を読み、一人は考え事にふけるなど、それぞれの時を過ごす。オープン当初からの常連でも、会話を交わす機会がないため、どんな人か全く知らないなんてことも。
「勉強や仕事をする人もいますが、ふと手を止めてぼーっとしたり、本を読み始める姿を見ると『しめしめ』と思ったりしますね(笑)。短くても、モノを考えない時間を過ごして欲しいと思っていますから」
しかし、静寂に包まれた空間ではあるものの、各テーブルに置かれたノートの中には、ひそやかながらも濃密な言葉が数多く書かれている。渡邊さんが軽い気持ちで置きはじめたノートは、約60冊を重ねるまでになった。そこには、生きる上での悩みや苦しみ、誰かを想う気持ち、前向きに進もうとする決意など、名も知らない人の言葉がたくさん詰まっている。「ノートを置いておいただけなのに、いつしか人生に影響を与えるような重みのある内容もつづられるようになったんです。火事になったら、真っ先にこのノートを持って逃げます」と言うほど、店にとって貴重な財産だ。
静けさの中で張り詰めた神経を緩ませ、感覚に身を委ねた状態でつづられた言葉には、人をひきつける不思議な力がある。それらの言葉が心に深く突き刺さるのは、読み手の側もまた、感覚を開いているからだろう。
「気が張っている時と休まる時がバランスよくあればいいのですが、ずっと張り続けている状態はつらいもの。人には緊張を緩める空間が絶対に必要」と渡邊さん。その思いを貫くためにも「会話お断り」の空間を維持していくつもりだ。
■オススメの3冊
『まど・みちお全詩集』(まど・みちお)
散文詩や童謡など、まど・みちおの全詩作品を発表順に収録した一冊。「ものすごくシンプルな言葉なのですが、本当に素晴らしいんです。一番大好きな詩集」
『アルフィーとフェリーボート』(チャール・キーピング)
テムズ川の川岸、砂糖工場の裏に住むアルフィー少年と、毎週金曜にやってくるバンティおじさんが語る冒険の物語。「エッチングがとても美しい絵本です。僕が幼稚園の時から持っているもので、個人的に思い入れのある一冊」
『月と惑星』(ジョセフ・サディル)
アポロ11号で人類が初めて月面に着陸する以前に出版された、月と惑星にまつわる大型本。「精緻(せいち)なイラストで描かれた、月や惑星の風景にすごくわくわくさせられ、想像力がかきたてられます」
◇
アール座 読書館
東京都杉並区高円寺南3-57-6 2F
03-3312-7941
http://r-books.jugem.jp/
(文 ライター:吉川明子 / 朝日新聞デジタル「&w」)
死亡が確認された登米市米山町中津山の鈴木春辰さん(20)は、船主の最知進市さん(37)=南三陸町歌津=のおい。1カ月ほど前に同市内の工場を退職し、海の男の仲間入りをしたばかりの新米漁師だった。
鈴木さんと工場で同僚だった会社員男性(60)=登米市=は「船に乗りたいと工場を辞めた。物静かでまじめ。すらっと背が高く、美男子だった」と突然の悲報に驚きを隠せない様子。
乗組員3人のうち、最知さんと乗組員吉田太一郎さん(34)=気仙沼市神山=の行方は今も分からず、家族や仲間が眠れぬ夜を過ごした。
漁協事務所には17日夜、仲間の漁師や職員らが駆け付け、「早く見つかって」「無事でいてほしい」と2人の安否を気遣った。
吉田さんは気仙沼市神山の仮設住宅に暮らす。同居する姉によると、母親や姉妹らと6人暮らし。17日午前2時ごろに自宅を出て漁に向かった。姉は「とにかく心配」と無事を祈った。
最知さんは約10年前に亡くなった父親の後を継いだ。「刺し網漁が好きで、タラ漁に取り組んでいる」と話していたという。
最知さんの漁師仲間で同町の三浦達也さん(58)は「(最知さんは)若手漁師の有望株。どういう状況でこうなったのか。無事でいてほしい」と願った。
東京都千代田区のJR山手線で起きた架線の支柱の倒壊事故で、JR東日本は17日、支柱の上部にあった鉄製のはりを事故の18日前に撤去した際、社内マニュアルに反し、事前の強度計算を怠っていた、と発表した。はりの撤去で架線からの張力への強度が落ち、倒壊を招いた可能性がある。
社内マニュアルでは、工事で鉄道設備の構造が変わる場合、設計段階での強度計算を求めているが、今回その形跡はなかった。理由は調査中だが、工事計画の承認までに経る設計管理者など複数のチェックも素通りしていた。同社広報は「事前に強度不足が分かっていれば、今回の工事手法はとらず、事故を防げたかもしれない」と話す。
事故は12日午前6時10分ごろ、神田―秋葉原間で発生。支柱1基(基礎部分も含め約4・3トン)が倒壊し、先端が山手線のレールに接触。ワイヤでつながっていた1基も傾いた。JR東によると、鉄製のはりは倒れた支柱と線路2本をまたいで、別の支柱につながれていたが、3月25日に設備更新工事の一環で撤去された。それまで架線からかかる約5トンの張力には、このはりと、倒れた支柱の重さで耐えていたという。
2015年4月16日(木)の午前、JR東海は山梨リニア実験線で高速域走行試験を実施。590km/hで有人走行したと発表しました。
これまで超電導リニアの速度記録は、2003年に山梨リニア実験線で「MLX01」が達成した581km/hで、それが有人走行で世界の鉄道史上最速の記録でもありました。
今回、山梨リニア実験線で超電導リニア「L0系」がそれを更新、590km/hを達成したということは、超電導リニアで史上最速であるのはもちろん、有人走行で世界の鉄道史上最速の記録を更新したことを意味します。
JR東海によるとこの高速域走行試験は550km/hを超える速度域のデータを取得し、リニア営業線設備の最適設計に役立てることを目的に、行ったそうです。
また長距離走行試験では2015年4月10日(金)に1日3904km、4月14日(火)に1日4064kmを記録。2003年11月7日(金)に記録した2876kmを大きく上回る距離を達成しています。
この山梨リニア実験線を営業線に転用して開業するリニア中央新幹線は、最高速度505km/h。まず品川~名古屋間で2027年の開業を目指し、建設が始められています。
樹氷の家は温泉街から離れたスキー場中腹にあり、1957年に開業した。5階建て全79室に、最大で350人が宿泊できる。「ゲレンデの中にあるホテル」が売りで、収容人数や立地の良さから修学旅行やスキー教室といった教育旅行の団体が主な客層だった。
樹氷の家によると、「お釜」の水面が白濁するなど火山活動の情報が広まった昨年10月以降、宿泊客が激減した。降雪後も傾向は変わらず、毎年予約が入っていた常連団体の利用見合わせ、キャンセルが相次ぎ、今季の売り上げは昨季の半分を割り込んだという。
東日本大震災の影響が薄れて客足が戻りつつあり、今季は畳を入れ替え、布団などを新調したばかりだった。武田義和支配人(55)は「これから新たな出発だと思った直後の出来事。いつ事態が収束するか分からないまま、客のいないホテルを動かし続けるわけにはいかない」と唇をかむ。
廃業は火口周辺警報(火口周辺危険)が出された13日以前に決めた。大型連休後の5月にホテルを閉める予定で、創業時からロビーに置いていたグランドピアノの解体も始めた。
近くのホテル経営者は「団体客メーンの宿だけに、打撃が大きかったのだろう。警報後、うちでもキャンセルが相次ぎ人ごとではない」と表情を曇らせる。
警報の警戒範囲は想定火口域の周囲1.2キロで、温泉街はさらに4、5キロほど離れている。蔵王温泉観光協会の伊藤八右衛門会長(66)は「観光客の安全確保には万全を期している。どうすれば正確な情報を伝えられるのか、知恵を絞りたい」と話している。