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日本IBMは3月24日、モバイル事業に関する戦略説明を行い、企業向けのモバイル活用支援策やユーザー事例を紹介した。モバイルが提供する新たなユーザー体験がこれからの企業ビジネスに不可欠だとし、モバイル化に伴う“障壁”を打破する点が特徴だという。
同社が企業のモバイル化を提唱するのは、世界的なスマートフォンやタブレット端末の普及が背景にある。同社によれば、特に10~20代のスマートフォン普及率は83.9%(全体は59%)に達する。「女子高生の平均利用時間は1日7時間にもなり、若い世代のモバイル活用は世界的な流れ。ビジネスをグローバル展開するにもモバイルは避けられない」(IBMインタラクティブエクスペリエンス事業担当の工藤晶氏)
IBMは2014年にAppleと協業して企業向けiOSアプリを展開するほか、1億ドル以上を投じてモバイル体験などの研究開発体制を強化するなど、モバイル分野で攻勢を強めている。日本IBMでも1月にデジタル広告などを手掛ける部門とモバイル事業を統合させた。
2月に米国で開催した「IBM InterConnect 2015」カンファレンスではモバイル、クラウド、アナリティクスといった最新技術の活用による企業への支援を訴えた。同カンファレンスでは金融大手の米Citiや資生堂におけるモバイル活用事例も披露された。
工藤氏によれば、国内ではパナソニックのグローバルサイトの最適化や三井住友あいおい生命保険におけるモバイルアプリケーション開発といった事例がある。
パナソニックのケースではWebサイト統合を支援した結果、ユーザーのサイト滞在時間が38%、サイト閲覧者が20%それぞれ増加するなど、マーケティング面における効果が出た。三井住友あいおい生命保険のケースでは保険契約業務に利用するモバイルアプリケーションのインタフェースを人間工学などの観点から開発。画面の見やすさや入力などの操作のしやすさが評価されているという。
同社が提供するソリューションとしては、モバイル活用のための包括的なコンサルティングからソフトウェアやサービスまでに及ぶ。領域もモバイルアプリの開発やセキュリティ対策、機関業務システムと連携したデータ活用、運用・保守など広い。
これらの中で特に注目されるのが、“モバイル化のための企業変革”の支援。企業がいざモバイル活用を掲げて計画を策定しても、その実行段階でつまずくケースが少なくないという。…