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被災地に鳥獣出没、住宅や田畑の被害深刻化

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被災地に鳥獣出没、住宅や田畑の被害深刻化

被災地に鳥獣出没、住宅や田畑の被害深刻化

東京電力福島第一原発事故の避難指示区域などにイノシシやハクビシンなど鳥獣が出没し、住宅や田畑を荒らす被害が深刻化している。

 特にイノシシは深刻で、福島県の推計によると、生息数は事故前の1・4倍に増加。自治体は駆除を進めるが、狩猟者数の減少も足かせになっており、住民らの間では、自衛手段として狩猟免許を取得する動きも広がっている。

 ◇大けがの恐れも

 今春以降の避難指示解除が検討されている楢葉町。先月末、民家のそばに仕掛けたわなに体重約40キロのイノシシがかかった。大きさは成獣の半分程度だが、金属製のオリがきしむほど体当たりして暴れた。

 「人に突進してきたら大けがは免れない」。町有害鳥獣捕獲隊長の早川洋一さん(80)は危惧する。町内ではイノシシが田畑を荒らしたり、ハクビシンやアライグマが家屋を傷つけたりする被害が続発。町はイノシシ用のわなを12基設置、200頭以上を捕獲した。

 ◇生息数「1・4倍」

 県によると、原発事故で県内の農業は縮小し、鳥獣による農作物の被害額は、2010年度の約1億5800万円から13年度は約1億4800万円と減少した。

 しかし、イノシシがイネやイモを食い荒らすなどの被害額は、10年度の約5300万円から13年度は約7500万円に増えている。

 県内のイノシシの推計生息数は、10年度の約3万5000頭から14年度は1・4倍の約5万頭に増加。農業被害は福島第一原発に近い沿岸部で増加傾向にあり、13年度、鳥獣全体に占めるイノシシ被害は50%に達した。

 県内ではほかにも、サルやハクビシンによる果樹類の食害やネズミによる家屋の損傷などの被害が報告されているという。

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