社会そのほか速
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教科書も用いず、「コーチ」と呼ばれる教師たちは助言と支援に徹している。
この学校は今年8月、ルールモント市に開校した「アゴラ中等学校」。日本の中学・高校に相当し、生徒は4~6年間学ぶ。
同校で現在副校長を務めるシェフ・ドゥラマンさん(61)ら教師たちが「生徒が自ら学び、個性を伸ばす学校を開きたい」と、国や地元の教育委員会などに働きかけ、認められた。同校に魅力を感じた12~13歳の男女34人が入学した。
週5日計35時間ある授業のうち、外国語や体育、美術などを除く20時間は、個人やグループで端末を使って学ぶ。将来の目標に向かって、教師と相談して決めた学習活動に取り組む。
学年がなく、学習はマイペースで進む。教師は生徒の端末の利用履歴を見て、進み具合をチェックする。テストは行わない。
12月中旬、外国語の授業が終わると、生徒たちはテーブルを囲んで座り、端末を使って調べものをしたり、文章を書いたりし始めた。
エボラ出血熱について、インターネットで検索していたティジャニ君(12)が「どうすればエボラウイルスはいなくなるの? オランダの専門家の意見を調べてみたけれどよく分からない」と頭を抱えた。教師のグイド・バンダイクさん(41)が「専門家は日本や中国にもいる。探してみたら」と助言すると、ティジャニ君の目がパッと輝いた。
「好奇心を刺激することが重要。興味がわけば、家でも勉強する」とバンダイクさん。宇宙船に興味を持ち、米国の研究者にネット電話をかけた生徒もいるという。
ただ、ネット学習には、誤った書き込みを生徒が信じかねないなど、様々な問題がつきまとう。同校では教師が生徒のそばにつき、絶えず注意を払うようにしている。
ドゥラマンさんは「教科別に知識を詰め込むより、自分で課題を見つけ、解決する知恵こそ必要。将来はこうした教育が主流になる」と話す。同校は数年内に生徒を500人まで増やす予定だ。(オランダ 三好益史、写真も)