社会そのほか速
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同社にパートのオペレーターとして採用されたのは、創業間もない27年前。今は部長として約120人のオペレーターを束ねる。「お客様とじかに会話する仕事が楽しくて、気がついたらこうなっていました」と笑う。
センターにかかってくる商品の注文や相談の電話は1日数千件。同じフロアにある自席で全体の架電状況を把握し、使用回線の数を調整する。電話が少ないと、回線を減らしてオペレーターが休憩を取れるよう配慮し、混雑時は客を待たせないよう回線を増やす。長年の経験でバランスを見極める。混雑時には自ら電話をとることも少なくない。
意見や苦情は「会社の財産」と言う。「カタログの文字を大きくした方がいい」「商品名でなく雑誌のキャッチコピーを覚えていて、購入したいという人が多い」――。客との対話からつかんだ情報は、各オペレーターがすぐにパソコンに入力し、開発、製造、販売など他部署の社員と共有する仕組みにした。届いた手紙は、雰囲気まで伝わるように、文面に手を入れずに入力している。
こうした「現場感覚」は、オペレーターの教育活動にも生かされている。3年前、社歴や年齢の異なるメンバー3、4人でグループを組ませる制度を導入した。グループ内では月1回30分程度、意見交換したり悩みを相談したりする。「オペレーターはお客様と1対1で対応し、勤務時間も様々。ストレスを抱えやすいので」。一体感を持って働いてもらおうという工夫だ。
調査会社のリポートなどで、同社の顧客満足度の高さには定評がある。それを支えるコールセンターの存在は大きい。
「ただ電話で注文を受ければいい」と思って飛び込んだ仕事は、実に奥深い世界だった。「私たちは電話接客のプロ。お客様から相談や要望を引き出すコミュニケーション力をさらに磨いていきたい」(谷本陽子)
【週末】非日常の動作 筋力維持も
子どもの頃に始めた日本舞踊を、今も続けている。祖母の影響で6歳から習い始め、週末に稽古を続けている。神社や公共施設などで、10代から80代まで幅広い年代の人と一緒に稽古をしたり、発表会を行ったりしている=写真=。
「着物に袖を通すと背筋がピンと伸びる。正座でお辞儀をする動作の一つをとっても普段の生活とは全く違う。気分転換になります」
日本舞踊は、体の動きだけで物語の状況や登場人物の心情を表現する世界。稽古では、手取り足取り教えてもらうのではなく、師匠の踊りを目で見て覚える。三味線や唄と呼吸を合わせることも大切だ。
中腰の姿勢が多いので、筋力の維持にもつながっているという。「幅広い世代とのコミュニケーション。動きの間合い。日本舞踊を通じて培われたものが、仕事にも生かされているのかもしれません」
【道具】ピンチに表情チェック
職場の机の引き出しには、手鏡が入っている=写真=。知人に土産でもらったもので、布細工のツバキの花飾りがついた和風のデザインだ。
使うのは、考え事をしているときや、仕事が難航しているときだ。「表情が険しくなっていないか、自分の顔をちらっと映してチェックするんです」
20年以上前のことだ。同僚の女性から、「みけんにしわが寄っているわよ」「声を掛けにくいときがある」などと言われ、ハッとした。それ以来、ピンチのときほど、鏡で自分の表情を確認するようになった。
管理職になって、自分の表情が大切だと、より強く意識するようになった。職場の雰囲気はオペレーターの声を通して客にも伝わると思うからだ。「もちろん、みんなにも楽しく働いてほしい。なるべく、にこやかでいたいですね」