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受験生が講義の動画や教材をパソコンやスマートフォン(スマホ)などで手軽に視聴できるオンラインの教育サービスが注目されている。
早稲田大に今春合格した斉藤貴穂さん(18)は、高校3年生だった昨年9月、パソコンなどで学べる「受験サプリ」を知った。情報サービス会社・リクルートマーケティングパートナーズが2011年に始め、過去の大学入試センター試験問題などを無料で配信。現在は月額980円で、大手予備校で実績のある講師の講義を見ることもできる。
鹿児島県・奄美大島で生まれ育った斉藤さんは、島の県立高校に通っていた。大手予備校はなく、夏休みは図書館に参考書を持ち込んで独学したが、「このままで大丈夫だろうか」と不安だった時に、友人から勧められた。自宅のパソコンで、英語、国語、社会を受講した。
一時停止して考えたり、繰り返し見たり。それでもわからないときもあった。受験サプリでは質問などを受け付けていないため、放課後、高校の教員に教えてもらった。成績が上がり、志望校のランクを上げて早大に合格。紹介してくれた友人も京都大に合格した。「地元ではいい仕事がないので、首都圏の大学に行きたかった。希望がかなった」
受験サプリには昨年度、全国の受験生の半数近い約28万人が会員登録し、約200の高校が授業や補習などで活用している。編集長の松尾慎治さん(30)は「様々な環境の人に一流の講義を提供するのが目的。受験生からの質問に答えるなどのサービスにはスタッフがもっと必要で、低料金が維持できないため、考えていない」と言う。
こうしたオンラインの教育サービスとしては、東大生らが10年から「manavee(マナビー)」を展開。地方に住んでいたり、経済的に苦しかったりするために予備校などに通えない受験生を応援しようと、大学生らによる授業の動画を無料で配信している。その後、各社が参入し、NTTラーニングシステムズの「大学受験倶楽部(くらぶ)」、旺文社と教育測定研究所の「大学受験まなぞう」、教育サービス会社・Quipper(クイッパー)の「GAKUMO」などがある。
パソコンやスマホなどでの受験勉強はさらに普及するのだろうか。オンライン教育サービスに詳しい船井総合研究所の犬塚義人さんは「塾や予備校に実際に足を運ぶわけではないため、学習意欲を喚起するのが難しい。継続させるには、受験生が抱く疑問に応じるなどの仕組みも課題だ。それらを解決できれば、受験業界の流れが変わる可能性がある」とみている。