社会そのほか速
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◆オープン戦 広島9―2オリックス(15日・マツダスタジアム)
8年ぶりに広島へ復帰した黒田=ヤンキース=が、オープン戦2度目の先発で2726日ぶりの国内勝利を飾った。4回に復帰後初失点となるブランコの2ランを浴びたが、志願して上がった6回のリベンジマッチでは空振り三振。やられた相手にやり返した。調整途上の段階で6回を5安打2失点にまとめるなど、開幕へ向けてギアを上げてきた。
打球の行方を振り返りはしたが、黒田は悟りきったように、表情一つ変えなかった。9点リードの4回無死一塁。ブランコへの初球。「手元を狙った」と内角へ操ろうとしたツーシームが真ん中へ入り、一発を浴びた。復帰後初被本塁打、初失点。「不用意な1球。いい経験ができて良かったと思いますし、シーズンにつなげたい」と淡々と振り返った。
頭は冷静だが、メジャー通算79勝右腕の心は熱かった。当初のメドは70球で、5回を投げ終え67球。降板してもいい状況だったが、3番・糸井から始まる6回を前に「もう1イニング、クリーンアップに行かせて下さい」と志願した。
糸井は二ゴロ、そして、ブランコだ。初球、同じツーシームから入った。「もう少し深めに、打者の手元に投げたいと思っていた。ファウルを打たせられたのは大きい」。失投を修正してカウント有利にし、最後はスプリットで空振り三振。中島から代わった西野も打ち取り、3人で退けた。「前の打席に2人で点を取られているので、もう1度自分で抑えたかった」。球数は77球に到達したが、さらに7回の続投も申し出たという。
逆球も多かった中、きっちりゲームメイクした。初登板となった8日のヤクルト戦(マツダ)は5回1死まで一人の走者も許さなかった。この日は苦しんだはずだが、苦しさをまったく感じさせない強さがある。
驚異の「勝負球」も披露した。3回無死一塁。伊藤への3球目、ツーシームで胸元をえぐると、右方向を狙って打った打球は伊藤自身の左すねを直撃した。「右バッターの自打球は、いいボールの変化をしてくれれば、当然、ああいう形になる。意識してくれればと思います」。右打者を差し込ませ、自打球にさせることを狙った球だ。
「ランナーを出してもピンチに見えない」と緒方監督は投球術を絶賛した。開幕前のラスト登板は22日のソフトバンク戦(マツダ)。「その日の調子はマウンドに上がってみないと分からない。その中でゲームを作っていければいいかな」と黒田は淡々。どんな逆境でも何とかしてくれる、と思わせる頼もしい存在だ。(田島 正登)
オリックス・坂口「(3回の)ヒットはツーシーム。(前回の投球を)テレビで見ていて、球が動くのは分かっていたけど、対戦してみて、外国人投手に近いと感じた」
オリックス・T―岡田「(2回の右前打は)甘かった。長打にしたかった。きれいな真っすぐはあまり投げていなかった」
オリックス・安達「ほとんど、ボールが動いてますね。それも手元で。比較的、変化が小さい、高めの球を狙った方がいいのかな」
オリックス・伊藤「ツーシームがだいぶん、曲がってきた。エンドランなので打ちに行きましたけど、もし、逃げずに見逃したら、体に当たっていたと思う」
オリックス・森脇監督「走者を意識しながらも主導権を(攻撃側に)渡さない。セットで持つ時間を常に変えながら、走者をけん制する。また、(捕手のサインに)首を振ってからけん制球を投げる、とかね。黒田から見習うことがたくさんある」