社会そのほか速
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男はどんな思いで首を絞めたのだろうか。赤トンボの研究で有名な農学博士が、教え子で研究パートナーだった女性を殺害したとして逮捕された事件。2人には通常の師弟の域を越えた「男女の関係」がささやかれている。専門家は、日々ともに実験や研究に明け暮れる理系特有の環境が一線を越えさせたのではと指摘する。
福井県勝山市の路上に止めた軽自動車内で、教え子の東邦大学大学院生の菅原みわさん(25)を殺害した疑いが持たれている福井大大学院の特命准教授、前園泰徳容疑者(42)。同容疑者は、東邦大学の非常勤講師を務めていたときに菅原さんと知り合ったとみられ、2人は研究パートナーとして活動をともにしていた。
前園容疑者は福井県警の調べに対し、「薬を飲んで苦しがっていた菅原さんから『殺してほしい』と言われた」などと供述しているというが、曖昧な点も多く、県警は慎重に捜査している。
過去、師弟関係を越えた愛憎劇では、1973年に立教大学の助教授が、不倫関係の清算に失敗し、かつての教え子の女性を殺害し、一家心中する事件が発生。今年1月には、大正大学の非常勤講師が同居人の女子学生から学内で全裸になることを求められて実行し、世間を騒がせた。
社会心理が専門の新潟青陵大学大学院教授の碓井真史氏によれば、教師と教え子は、しばしば医者と患者のような関係になるという。
「医者や看護師が患者の世話をする。助けるうちに患者が彼らに対し、模擬的恋愛感情を抱くことは心理学の世界では広く知られている。患者が抱くこの感情は、退院すると消えてしまう性質のものだ。学生から一方的に好意を寄せられたとしても、教師はプロとして相手の気持ちをよく考える必要がある」
菅原さんは昨年に大学を休学し、先に勝山市に居を移していた容疑者を追う形で引っ越しした。
「理系の学問は、研究者と教え子がフィールドワークや実験で一緒に過ごす時間が多い。文系科目に比べて親密な関係になりやすい傾向にある」(碓井氏)
学生が模擬的恋愛感情を抱いて終わる関係がある一方、大学院などでは、若い研究者が年の近い院生と恋愛関係になり、院生の卒業を待って結婚するケースもあるという。ただ、前園容疑者には妻と2人の子供がいた。菅原さんは前園容疑者の家族とも付き合いがあったといわれているが、碓井氏はこうみる。
「容疑者は女性を家族に会わせることで、女性も相手の家族と会うことで『私たちは、いかがわしい関係ではない。あくまで研究者と弟子である』と、お互いに自分自身を納得させていたのではないだろうか」
25歳のリケジョが命を奪われた事件。真相解明が待たれる。2015/3/17 16:56 更新