社会そのほか速
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2月22日は、沖縄の基地問題をめぐる激動の一日だった。
米軍の新基地建設をめぐり、沖縄県名護(なご)市辺野古(へのこ)で住民による抗議大集会があったが、その直前の朝、抗議活動のリーダーらが米軍によって不当逮捕されるという事件が起こったのだ。(詳細記事はこちら→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/04/44462/)
【写真】急ピッチで進む与那国島の基地建設
そしてこの日はもうひとつ、日本最西端の島、与那国(よなぐに)島でも重要な出来事があった。
* * *
この国の現在の姿を象徴するかのような出来事が辺野古で起きた2月22日、実は私自身は与那国島に滞在していた。「自衛隊基地建設」の賛否を問う住民投票が行なわれたのだ。
私事で恐縮だが、私にとっての与那国島は18歳、19歳、23歳と3度「サトウキビ刈り援農隊」に参加して以来、臆面もなく「心の故郷」と呼ぶようになってしまっている思い入れの深い島だ。
だから22日の辺野古の県民集会が大いに気になりつつも与那国での取材を優先させた。その直接のきっかけをつくってくれたのは、旧知の名護市議会議員であり、大浦湾地域の瀬嵩(せだけ)集落出身の東恩納琢磨(ひがしおんな・たくま)さんの言葉だった。
「ぜひ与那国へ行ってください。17年前の基地建設の是非を問う名護市民投票の時、渡瀬さんはこんな田舎にもよく足を運んでくれましたよね。俺たちにはとっても励みになったんですよ。だから与那国の人たちの所へ行ってください」
取材者冥利(みょうり)に尽きる背中を押してくれる言葉だった。
2月15日に島に入って10日間滞在し、住民投票に揺れる島の人たちの思いをたくさん聞いて歩いた。
結果から言えば、住民投票は22日に即日開票され、自衛隊基地建設に賛成が632票、反対が445票という大差のつく結果となった。
外間守吉(ほかま・しゅきち)町長は「これで決着がついたと考えます」と述べたし、結果だけ見ると「島の人が選んだことだから仕方がないよね」という思いに駆られる人も多くおられるかもしれない。実際、住民投票後に辺野古で会った複数の友人、知人からもそれに近い言葉をかけられた。
しかし、そのたびに私は「ちょっと待ってください」と言葉を返し続けた。
というのも、まず第一に与那国島になぜ「自衛隊基地建設」が必要なのか、という問題の検証がどこまで行なわれたかが疑問だからだ。
外間町長による「国防よりも、経済活性化策としての自衛隊誘致」に走った路線は果たして正しかったのか、間違っているとすればなぜなのか。自衛隊誘致に頼らぬ島おこしをしたい島内の有能な人材の力を開花させることができているのか、あるいは芽を摘んでしまっているのか。
日本本土から離れているために、沖縄本島が異常な米軍基地の負担を押しつけられてきたのと同じように、さらに遠い国境の島の自衛隊配備問題は「仕方のないこと」として片づけられてきてはいないか。
様々な観点からの分析と検証が本当に行なわれてきたのかが疑問なのだ。
島の人たちが選んだ結果だから、しっかりと受け止めなければならないことは間違いないが、思考停止だけは避けなければいけない。
結果を受けて現時点で言える私の率直な感想を、あえてひとつに絞るなら、辺野古新基地建設強行とまったく同じ事業者である防衛省のやり口、すなわち「強引に既成事実を積み重ねること」が、まんまと功を奏した感は否めないという点である。
与那国島では自衛隊配備の拠点が3ヵ所もあり、そのうちふたつ、レーダー設置地区と駐屯地区はすでに造成工事がかなり進められている。
「もう工事が始まっているから国は絶対に後へは引かない。だから、これからのことを思えば賛成派についていたほうが得だ。レーダーの電磁波の危険だって、国が責任をもって安心だと言うんだからウソであるはずない」
といった、原発誘致でも繰り広げられたような言質が賛成派の殺し文句のようになっていて、当初は反対派だった住民も工事が進むほどに、相当に諦めさせられた感があるのである。
自衛隊に頼らぬ本物の島おこしを願い、レーダー電磁波による人体、家畜への被害を憂い、町の選挙自体を永遠に自衛隊が牛耳る事態になる恐怖をきちんと語る論客とわたしは何人も会った。しかし悲しいかな、彼らの声は広く浸透しなかった。「反対派は国ほど資金を持っていないから仕方がない」という声もあちこちで聞こえた。
そのことも含め、果たして島の人ばかりに責任を押しつけてよいのか。与那国の大問題を沖縄県民や国民全体の大問題として共有する努力を私たちはどれだけできたのだろうか。
辺野古の問題もここにきてテレビ朝日系の『報道ステーション』がしばしば取り上げ、ようやく全国区の問題になってきた感がある。『標的の村』(三上智恵監督)や『圧殺の海』(藤本幸久・影山あさ子共同監督)という映画によって、マスメディアが伝えなかった「沖縄の真実」を知る人も増えつつある。
最後に、自衛隊誘致問題が起きてから一貫して反対の立場をとっている、代表的なふたりの言葉を紹介したい。まずは、92歳の牧野トヨ子さん。
「軍隊の備えのある所から、まず狙われます。戦争中の与那国は軍の監視施設があったので、焼夷弾(しょういだん)で焼かれたり、機銃掃射も受けました。人口が増えるとか、お金のことだけを考えてはだめだと思いますよ。戦(いくさ)になったら、なんのためにもならない。
与那国は景色もいいし、自然にも恵まれているから、観光客を呼んだほうがいい。基地がある所に観光客は来ない。お金に目がくらんでいる人が島を売ろうとしている。先祖代々守ってきたこの土地を次の世代に渡すのが私たちの責務だと思っている」
反対派の理論家町議として知られる田里千代基(ちよき)さんは、こう語る。
「台湾との経済・文化交流を柱にした『自立へのビジョン』を策定した前町長の尾辻(吉兼)さんは自民党の政治家でしたが、自分の意思よりも民意を尊重する立派な政治家でした。あの人が急逝しなければ、こんな強権的な町政にはなっていません。『自立へのビジョン』実現の努力を真剣にしてくれたと思いますし、自衛隊基地がこんなに強引な形で着工されることもなかったでしょう。
現町長は、努力を放棄して、自立ビジョンに書かれたことはすべてやったと開き直ってしまっています。こんな結果になってしまったことは悔しく悲しいことです。ただひとつ本音を言えば、与那国の自衛隊問題をなぜ辺野古と同じように扱ってくれないのだろうか、という孤立感は否定できない日々がありました」
私はこの言葉を深く胸に刻みたい。そして、国境の島・与那国の真実を「みんなの問題」としてしっかり伝えるべく努力したい。
(取材・文/渡瀬夏彦 撮影/森住 卓 渡瀬夏彦)
■『週刊プレイボーイ』11号(3月2日発売)「基地建設をめぐる沖縄『激動の一日』」より
コンビニエンスストア業界3位のファミリーマートと同4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(GHD)が経営統合に向け協議していることが先週、明らかとなった。3月中の合意を目指す。
統合によりファミマとサークルKサンクスの店舗総数は1万7599店となり、セブン-イレブン・ジャパン(1万7277店、いずれも1月末時点の店舗数)を上回り、業界トップに立つ。全店売上高でファミマ・サークルKサンクス連合はセブンに1兆円近い差をつけられているが、業界2位のローソンを9000億円近く上回る。店舗数でトップ、売り上げで第2位の巨大グループが誕生することになる。
課題はサークルKサンクスの看板をどうするかだ。2010年にファミマがエーエム・ピーエム・ジャパンを吸収した時は、時間をかけてam/pmの看板をファミマに掛け替えた。もう一つの課題は、ユニーGHDの売り上げの8割を占めるスーパー事業をどうするかである。「岐阜に本社があり、中部地区で食品スーパーを展開しているバロー(10月からバローホールディングスに社名を変更)が投資ファンドと組んでユニーGHDのスーパー部門に買収を仕掛ける」(業界筋)という観測もある。食品スーパーとして業績好調で山梨県に初進出し、関東圏への進攻に意欲を見せているバローが「小が大を飲む」M&Aを仕掛ける可能性もある。
●注目集まるローソンの動き
ファミマ連合に売り上げ、店舗数で逆転されることになるローソンは14年12月、広島が地盤の中堅コンビニチェーンのポプラに出資した。ポプラの15年2月期の連結最終損益は20億6500万円の赤字で、14年同期も23億円の赤字であり2期連続の赤字となった。15年2月期は売り上げも13%減っている。
ポプラのメインバンクは広島銀行。三菱商事が60%の株式を握る三菱食品が実質4位の大株主のため、「三菱商事を仲介役にローソンがファミマ連合との売り上げの差を少しでも縮めるためにポプラ買収に動く」(業界筋)との見方も出ている。
業界5位のミニストップはスーパー大手イオン系のコンビニだが苦戦が続く。中堅で神奈川県が地盤のスリーエフは、15年2月期に赤字に転落し正念場が続いており、規模確保のため両社が統合に動くとの観測もある。「ファミマ連合の誕生により、コンビニ業界に玉突き再編が起こる可能性が高い」(アナリスト)。
●他社の草刈り場になったサークルKサンクス
サークルKサンクスが店舗競争力を失ったことから、11年以降、約490店がローソンやセブンに鞍替えした。サークルKサンクスは他社の草刈り場になったが、ファミマだけは手を出さなかった。「ファミマの上田準二社長(当時、現会長)が、サークルKサンクスの本体が欲しいという意向を持ち、サークルKサンクスをいたずらに刺激することを避けてきた」(ファミマ関係者)ためといわれている。
サークルKサンクスは、かつてファミマと合併寸前までいったが破談になった過去を持つ。その後、ファミマはサークルKサンクス獲得を決して諦めていなかった。昨年夏、ファミマがサークルKサンクスに対してアイスコーヒー用の氷を融通したことが評判になった。いまやコンビニの定番はレジ横の淹れたてコーヒーであり、夏のアイスコーヒーに欠かせないのがカップ入りの氷だ。氷を確保できなかったサークルKサンクスのために、ファミマが氷メーカーの製造ラインの一部を明け渡した。業界では「再編に向けエールを送った」と受け止められた。
●経営統合の予兆
ファミマとユニーGHD経営統合の橋渡し役となったのは伊藤忠商事。ユニーGHD株式2.9%を保有する第3位の大株主でファミマの親会社だ。伊藤忠が動けば、一気に再編の気運が高まるとみられていたが、ファミマとユニーGHDの首脳は近くトップ会談を開き、共同で設立する持ち株会社の傘下にファミマとサークルKサンクスが入るかたちでの経営の一本化を目指す。
今回の経営統合の予兆はあった。経営不振の責任を取り、ユニーGHDの前村哲路会長と中村元彦社長が3月1日付けで相談役に退いた。新しい社長には事業子会社ユニーの社長である佐古則男取締役が昇格した。
記者会見した前村氏は「結果責任を取った」と述べ、今回の人事が引責辞任であることを明言した。持ち株会社の権限を弱め、意思決定を傘下の事業会社に任せる現場主義に戻す。佐古氏は事業会社ユニーの社長を引き続き務める。
経営統合交渉はファミマの中山勇社長とユニーGHDの佐古社長のトップ会談で始まり、その後、役員クラスによる統合準備委員会がつくられることになる。
(文=編集部)
いまや、ネイルはトータルビューティの一部として広く認知されています。美しい指先を演出するネイリストは、女性の就きたい仕事の上位に位置するほどの人気職種です。日本ネイリスト協会発行の「ネイル白書2014-15」によると、ネイル市場は2008年のリーマンショック、11年の東日本大震災などの影響を受けながらも緩やかな増加が続いており、市場規模は13年で2158億円、14年も2165億円と推計されています。
このように拡大し続けるネイル市場ですが、愛知県名古屋市にネイルサロンを展開している有限会社Ars-nova Aspiring Rの代表、川合美絵氏は、昨今のネイル業界は「見た目やテクニカルな面ばかりが強調されており、正しい爪の知識が啓蒙されていません」と警鐘を鳴らしています。
ネイリストとして20年のキャリアを持つ川合氏が、医学博士の東禹彦監修のもとで“爪のための医学書”と自信をみせる『爪のプロフェッショナルが教える 美しい爪 健康な爪 基礎知識』(東禹彦監修/合同フォレスト)を今年2月、上梓しました。
今回、その川合氏に
・爪と健康の関係
・美しい爪をつくる秘訣
などについて話を聞きました。
●ネイリストは華やかな仕事ではない
–本書を発刊しようと思った経緯について教えてください。
川合美絵氏(以下、川合) 私がネイリストになった20年前、ネイリストは一般的ではなく、社会的な認知度も高いとはいえませんでした。最近、ネイリストはテレビドラマの影響もあり、女性が憧れる職業のひとつに数えられています。しかし、ネイリストは見た目こそ華やかな職業ですが、やっていることはとても地味な作業です。小さな爪にお客様の要望を踏まえながら、マニキュアやジェルを塗って整えていく仕事です。手先が器用で、同じ作業を続けられるメンタルの強さや根気が必要とされます。人気職業のせいか、甘い考えでネイリストになる人が多いのですが、薄給で仕事もハードワークなので、覚悟が甘い人にはお勧めできません。
本来、ネイリストは爪を熟知していることが望ましいのですが、ネイルのデザインや華やかさを追求し、正しい知識を身につけている人は少ないように感じます。本書を通じて多くの人に医学的な観点からも爪を知っていただきたいと思い、出版に至りました。
–知っておくべき爪の知識はありますか?
川合 爪には、さまざまな要因が複合的に絡んで症状が表れます。例えば、縦や横に線が入ったり、白い斑点が表れたり、厚くなったり、反るなど、さまざまな症例があり、その症例から病気がわかる場合もあります。爪は体の末端ですから、血流やリンパが滞ると最初に症状が表れやすい場所なのです。指先は特に毛細血管の多い部分です。血液の流れが滞れば、栄養や老廃物も流れなくなり、爪に変化が表れやすくなります。爪は体の窓となって、皮膚下で起きている現象を見せてくれます。 また指先には自律神経のツボがあり、長時間爪を押さえることで副交感神経が刺激されて免疫力が上がるといわれています。新潟大学の安保徹教授は、爪周囲を圧迫することでがんやうつ病、更年期など、さまざまな病気が改善した事例を発表しています。
●健康で美しい爪をつくるには
–健康的な爪をつくるために、留意すべきポイントがあれば教えてください。
川合 健康な爪をつくるには「食事、呼吸、睡眠」の質が大切です。食事に関しては、3食を取ること以上に、食事の質を上げることが大切です。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、脂質をバランスよく取り入れなくてはいけません。その上で、加工されていないミネラルウォーターなどを多く取り、体内の毒素を排出するようにすることが重要です。
呼吸に関しては、深く穏やかに呼吸をすれば代謝も上がりやすくなり、リンパや血流もよくなります。爪はリンパや血流の折り返し地点になるので、滞りなく流れなくてはいけません。深呼吸をすることで、リラックス効果も高めることができます。
また質の高い睡眠は疲れた脳を休ませることができるため、非常に効果的なストレス解消法です。睡眠中は成長ホルモンが分泌されますから、古くなった肌や爪などの組織の修復・再生を促します。
–爪をきれいにする方法を教えてください。
川合 大きく2つのアプローチがあります。ひとつは前述したように生活を健康的に改めることです。心身共に健康でいれば、きれいになります。もうひとつは、サロンケアです。プロのケアは頼りになると思います。サロンによってメニューは異なりますが、内容を確認したうえで施術をしてもらうことが大切です。そして施術後は、爪磨き、ベースコートというマニキュアを塗ると効果的です。これによって、色素沈着を防いだり、爪に栄養を与えられます。またジェルコートを塗ると、爪が丈夫になります。
意外に思われるかもしれませんが、最近は男性のネイルに対する意識が高まっています。例えば、男性タレントはネイルケアにこだわる人が多いです。甘皮周囲の乾燥やパサつきは不衛生に見えますし、老けたイメージがつきますからネイルケアが必須です。また「レストランのシェフの爪が汚かったら、その店には二度と行かない」という厳しい客の声もよく耳にします。今後、各方面で男性のネイルケアが必需となってくるでしょう。
–ありがとうございました。
(構成=尾藤克之/ジャーナリスト・経営コンサルタント)
J2開幕戦で2ゴールを決めた磐田FWジェイ(左)
衝撃の2ゴール。そして一気に膨れ上がる歓喜の輪。ジュビロ磐田の元イングランド代表ストライカーが、ついにそのベールを脱いだ。
8日に行われたギラヴァンツ北九州とのJ2開幕戦。17分に直接FKから先制点を許した磐田は直後の18分、アダイウトンのロングパスに鋭く飛び出したジェイが、飛び出してきた相手GKよりも素早く右足で触れると、そのままボールが無人のゴールへ転がって同点に追いつく。「ピッチが濡れていたので、最初にコントロールしたボールがイレギュラーした。ラッキーだった」という新エースのJリーグ初ゴール。続く37分には「ヨシ(太田吉彰)が素晴らしいクロスを上げてくれた。自分はフリックしてコースを変えただけ」と謙虚に振り返るヘディングでチームを逆転に導いた。初めてサックスブルーのユニフォームをまとってサポーターの前に立ったゲームで、圧倒的なインパクトを残すことに成功した。
身長190センチの新エースを「ギリギリまで隠したい」と考えた名波浩監督は、ライバルチームがスカウティングに訪れるであろう開幕直前の練習試合を非公開に設定。「開幕したら仕方がない」とは考えつつ、情報漏れを極力避ける段取りをつけてスタートダッシュに備えた。まずはその成果が実った形だ。
初めてジェイを目の当たりにした北九州の柱谷幸一監督は「規格外の高さとパワー。J1でも十分に通用するレベル」と評価した。
敵将にそう言わしめたポテンシャルは、試合中の至るところで発揮された。前半には縦パスを受けた瞬間に軽快なルーレットで背負っていた相手DFをかわしてサイドへ展開。パスコースへ積極的に顔を出し、懐の深いポストプレーや高身長を生かしたヘディングで前線のターゲットとなった。背後からのプレッシャーをものともしないパワーは、まさにイングランド仕込み。名門アーセナルで育ち、各年代のイングランド代表で中心選手として活躍した実績がダテではないことを証明した。
チーム始動から3週間遅れて合流したこともあり、まだ90分間プレーできる体力は持ち合わせていない。実際、この試合でも後半は明らかに運動量が落ちた。ジェイ自身も「練習試合だけでは100パーセントには持っていけない。本番を重ねてコンディションを上げていきたい」と語り、名波監督も記者会見で「まだ8割くらいの状態」と現状に触れている。だが、指揮官は合流初日からしなやかなボールタッチを見せていたジェイに「やっぱりアーセナルだよ」という第一印象を持ち、さらに「決定力やボールの収まり方はトト(スキラッチ)並み」と、かつて一緒に黄金時代を築き上げた元イタリア代表FWの名前を挙げる。現時点で指揮官から受けている評価は最大級と言っていい。
ゲームメーカーのMF上田康太は「足下がうまいから、できるだけシンプルに預けるようにしている」と言い、アタッカーの太田は「あれだけ背が大きければ自信を持ってクロスをを入れられるし、いいボールを入れれば必ず決めてくれる。そうなれば相手が警戒して自分がシュートを打つ形も出てくる。それがチームとして大きな武器。2点目は(ジェイとの)直前のアイコンタクトで出してほしいコースが分かった。あの形はこれからも続けていきたい」と今後に大きな手応えを感じている様子だ。
いきなり強烈な印象を残したことで今後は相手チームから激しいマークを受けることが予想されるが、「マークがキツくなる? それもサッカーだし、相手を研究するのはお互いさま。もしそうなったとしても、チームが勝つために自分の良さを出すために全力を尽くすよ。もしチャンスで決められなかったとしても、次に決めればいい」と余裕の表情。全くと言っていいほど本人は意に介さない。これもストライカーのメンタリティなのかもしれない。
ゲームを重ねるごとに向上していくであろうジェイのコンディションと周囲との連携が楽しみでならない。先制された直後に同点弾を決めることで前を向く強いスピリットを見せることもできた。ジェイ自身も「こういう姿勢も含めて、自分の経験を還元していきたい」と穏やかに、しかし力強く語る。その裏側には「ジュビロは2部にいるべきクラブではない」という思いがある。J1昇格は最低目標。その先にはJ1で結果を出せるクラブにしたいとも考えているという。
何を聞かれてもチームメートの素晴らしさを例に挙げ、チームの勝利のためにプレーすると言うジェイ・ボスロイド。「ジェイ」の名で登録された左利きの元イングランド代表が、磐田に新風を吹かせている。
文=青山知雄
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浦安はFリーグの意地を見せ、3連勝で決勝ラウンド進出を決めた [写真]=山脇美紀
8日、PUMA CUP 2015 第20回全日本フットサル選手権大会の1次ラウンド3日目が行われ、13日から始まる決勝ラウンド進出チームが確定。前日に突破を決めていたフウガドールすみだ、府中アスレティックFC、デウソン神戸に加え、グループCのペスカドーラ町田、グループDのバサジィ大分、グループEの浦安が1位通過。シード枠の名古屋オーシャンズとシュライカー大阪を合わせた8チームがノックアウト方式で日本一を懸けて争う。
1次ラウンド最終日のこの日、兵庫会場で戦うグループEの浦安は、連勝で広島エフ・ドゥ(中国地域代表)との試合に臨んだ。勝利すればグループ突破が決まるという戦いに広島も強い気持ちでぶつかってくるが、試合は浦安がペースを握る。5分に左サイドの小倉勇のシュートが相手DFに当たってゴールへと転がり、先制に成功。11分にも小倉がFKを決めてリードを2点に広げた。一方の広島は14分に田中健次郎が左サイドからシュートを突き刺し1点を返したが、18分に浦安の加藤龍馬に決められ、3−1で試合を折り返した。
後半、25分に小宮山友祐の追加点で浦安がリードを広げたが、広島も田中が決めて食い下がる。そして2点を追い掛ける広島はここからパワープレーを開始し、相手を押し込んでいく。しかし30分に“パワープレー返し”から逆にゴールを奪われると、その後も得点を重ねられ、終わってみれば9-2で浦安に軍配が上がった。
「(Fリーグで)優勝して歴史を変えるという使命感を選手みんなが持っていて、その気持ちが例年以上に強さかっただけに、反動も大きかった」(米川正夫監督)と、浦安は2週間前に行われたFリーグのプレーオフ2ndラウンドでの敗戦で一度、失意を味わっていた。ただ、「1週間ほど休息を取り、タイトルをつかむというモチベーションをもう一度作れた」と、気持ちを切り替えて大会に臨み、確実に3連勝を収めた。
グループFは、エスポラーダ北海道、メンバーオブザギャング(東海地域第2代表)に勝利し1位が確定していた神戸がバルドラール浦安セグンド(関東地域第2代表)と対戦。神戸は守備の要である鈴村拓也、山元優典を温存しながらも、相手の攻撃を受け止め逆にチャンスを作り出していく。スコアが動いたのは11分。渡井博之がボール奪取から左サイドを駆け上がると、相手DFをかわしてゴールネットを揺らし神戸が先制した。
一方の浦安セグンドも反撃を開始すると、14分に岡田彬伸がゴールライン際からシュートを放つと相手DFに当たってコースが変わり同点に追い付いた。後半に入っても試合を先行したのは神戸。25分に日永田祐作が今大会初ゴールを挙げて勝ち越すと、その後は神戸が試合のペースを握っていく。ただ28分にも決定機を演出したが原田浩平のシュートを枠を捉えられず、神戸サイドには嫌なムードが漂い始めていた。
そして1点差のまま時計が進んでいくと、試合は一転して浦安セグンドが攻め込む展開となる。すると34分、田中優輝が値千金の同点ゴールを決め、試合は振り出しに戻った。その後、勝利を狙う浦安セグンドはフィールドプレーヤーの大橋勇太をGKと交代してパワープレーを始めたが、最後までスコアを動かせず。地域チームが意地を見せる形で試合は2-2で決着した。
神戸は、手痛い引き分けを喫したものの、「このチームは決勝まで行けば何かが起こせる。そこに向けて一つずつ勝利していくだけ」(小川亮監督)と初優勝を目指して決勝ラウンドでの躍進を誓った。
終わってみればFリーグ勢が順当に駒を進めた1次ラウンドだったが、神戸が浦安セグンドに引き分けるなど、大会は3日目に少しばかりの波乱があった。グループBではゾット 早稲田 フットサル クラブ(関東地域第1代表)がアグレミーナ浜松に勝利する“下克上”を果たし、グループDではFC mm(関東地域第3代表)が大分に一時は5点をリードされる中でも引き分けに持ち込むなど、関東リーグ勢がFリーグを相手に存在感を示した。
大会は13日、舞台を国立代々木競技場第一体育館に移して決勝ラウンドが開戦する。果たして、20回目の記念すべき大会で日本一の栄冠を勝ち取るのはどのチームだろうか。
文=MARIKO
文・写真=山脇美紀
PUMA CUP 2015 第20回全日本フットサル選手権大会 1次ラウンド
2015年3月8日(日)
会場:エコパアリーナ(静岡県)
<グループA>
10:00 ヴォスクオーレ仙台 2-1(2-0、0-1) 徳島ラパス
12:15 フウガドールすみだ 12-1(5-0、7-1) トロブラボ富山
<グループB>
14:30 府中アスレティックFC 7-1(3-1、4-0) セットスター和歌山
16:45 アグレミーナ浜松 3-4(1-1、2-3)
会場:舞洲アリーナ(大阪府)
<グループC>
10:00 湘南ベルマーレ 8-1(5-1、3-0) 名古屋オーシャンズサテライト
12:15 ペスカドーラ町田 4-2(2-1、2-1) SWHフットサルクラブ
<グループD>
14:30 ヴォスクオーレ仙台サテライト 2-5(0-2、2-3) 池田誠商店
16:45 バサジィ大分 5-5(4-0、1-5) FC mm
会場:神戸市立中央体育館(兵庫県)
<グループE>
10:00 サウージ ワサダ 2-3(2-2、0-1) ディヴェルティード旭川
12:15 バルドラール浦安 9-2(3-1、6-1) 広島エフ・ドゥ
<グループF>
14:30 エスポラーダ北海道 7-2(3-1、4-1) メンバーオブザギャング
16:45 デウソン神戸 2-2(1-1、1-1) バルドラール浦安セグンド
<グループA順位>
1位 フウガドールすみだ 勝点9(+17)
2位 ヴォスクオーレ仙台 勝点6(+1)
3位 徳島ラパス 勝点3(-3)
4位 トロブラボ富山 勝点0(-15)
<グループB順位>
1位 府中アスレティックFC 勝点9(+12)
2位 ゾット 早稲田 フットサル クラブ 勝点6(±0)
3位 アグレミーナ浜松 勝点3(+2)
4位 セットスター和歌山 勝点0(-14)
<グループC順位>
1位 ペスカドーラ町田 勝点9(+7)
2位 湘南ベルマーレ 勝点6(+8)
3位 SWHフットサルクラブ 勝点3(+2)
4位 名古屋オーシャンズサテライト 勝点0(-17)
<グループD順位>
1位 バサジィ大分 勝点7(+19)
2位 FC mm 勝点4(-1)
3位 池田誠商店 勝点3(-9)
4位 ヴォスクオーレ仙台サテライト 勝点3(-9)
<グループE順位>
1位 バルドラール浦安 勝点9(+21)
2位 広島エフ・ドゥ 勝点4(-2)
3位 ディヴェルティード旭川 勝点4(-7)
4位 サウージ ワサダ 勝点0(-12)
<グループF順位>
1位 デウソン神戸 勝点7(+2)
2位 エスポラーダ北海道 勝点6(+6)
3位 バルドラール浦安セグンド 勝点2(-2)
4位 メンバーオブザギャング 勝点1(-6)
※各グループ1位チームが決勝ラウンドへ進出
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