社会そのほか速
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2004年11月に開通。島民待望の橋だったが、便利になったのは人の往来だけではなかった。鹿久居島にすむ約20頭のニホンジカが5年ほど前から頭島に渡り、ミカン園や野菜畑を荒らすようになったのだ。
鹿久居島はその名の通り、古くから鹿が多く、江戸時代、岡山を治めた池田藩の鹿の狩り場になったほど。農家は鹿による被害を防ごうと、畑全体を頑丈な金網で覆う対策を取っている。しかし、頭島は無防備だった。鹿は食欲を満たすと、夜明け前には同じルートで鹿久居島のねぐらに戻る。
鹿はミカンの木の皮なども食べ、木が枯れることも。50年以上ミカンを栽培してきた中磯里見さん(80)は「ネットを張ってもすぐ破られる。イタチごっこだ」と嘆く。「鹿のために造った橋やないんやけど」と、頭島で鹿を観察する木下富廣さん(68)。昨年、有害鳥獣被害に対処する「シカ・イノシシ課」を新設した市は近く、二つの島での一斉駆除を計画する。人と鹿の攻防が激しさを増している。
写真と文 野本裕人