社会そのほか速
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神戸市西区の木造2階建て。近藤裕子さん(36)が、父母の寝室に行くと母が倒れていた。父は119番。近藤さんは保健体育の授業を思い出し、必死で心臓マッサージを続けた。しかし、母は助からなかった。深い悲しみの中、近所の人が、おにぎりを手に励ましてくれた。
2011年に結婚。現在、同市東灘区で暮らす。1月17日は、慰霊の催しが開かれる東遊園地(神戸市中央区)に毎年足を運ぶ。母を思う一方、様々な支えを受けたことに感謝してきた。同じように親を亡くした人と語り合い、癒やされたこともあった。
公園で遊ぶ長男の稟太朗(りんたろう)君(1)を見ながら思う。
「自分は人に支えられて、大災害に立ち向かうことができた。困っている人がいたら進んで動いて、その姿を息子に伝えたい」
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東京都西東京市の出村宏志さん(45)は、兵庫県西宮市で自宅アパートの下敷きになり、9時間後に救出された。「今考えても、よく助かった」と振り返る。しばらく挫滅症候群(クラッシュシンドローム)で、左半身が動かなかった。震災から2年後に結婚した優美子さん(46)に励まされ、リハビリに取り組んだ。
現在は、IT企業の技術者。日常生活では、ほとんど影響を感じないまでに回復した。
長男、創太郎君(12)は今年、中学生になる。「死んでいたかもしれない自分が社会復帰し、結婚して子供もできた。体験を伝え、どんなことがあっても生きることをあきらめてはならない、と教えたい」
写真と文 守屋由子