【アンマン＝伊藤甲治郎】ヨルダン軍パイロットのムアズ・カサースベ氏（２６）の「殺害映像」が動画サイトに投稿された３日夜（現地時間）、アンマン市内の集会所は、同郷の支援者ら数百人で膨れあがった。

　　記者会見した親戚の男性は悲痛な表情。「ムアズはヒーローだった」と訴え、報道陣の取材には力なく手を振って断り、無言で肩を落とした。

　　連日、「寛大な許しを」などと会見で呼びかけていた父親のサフィ氏（６７）ら家族は、地元に戻っており、集会所に姿はなかった。

　　支援者らは、悲しみや怒りなど感情をむき出しにして叫んだ。マーリク・アルアッバーディさん（２７）は「ムアズの死はヨルダン国民全員の痛み。イスラム国がやっていることは、イスラム教の教えに背くものだ」と怒った。