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◇江戸期は一大産地 茶屋町の住民ら栽培
若者たちでにぎわう大阪市北区の茶屋、鶴野両町の街並みを、菜の花が彩っている。地元の住民や商店主らでつくる「北梅田地区まちづくり協議会」が、「菜の花の散歩道」と銘打ったプロジェクトを実施。黄色の花が、道行く人たちに春の訪れを告げている。
「菜の花の散歩道」は2009年3月に始まった。その前年に、同協議会の若手有志らを中心に発足した「鶴乃茶屋倶楽部」が、町の歴史を勉強し、明治中頃まで茶屋、鶴野両町を含む広範囲に菜の花畑があったことを知ったのがきっかけ。江戸時代には、一大産地として発展したという。
阪急梅田駅の北東に広がる同地区は、昭和60年代まで開発が立ち遅れていた。その後、1990年に梅田ロフト、2000年代には大型の複合商業施設が次々と開業。飲食店やファッションビルが立ち並ぶ若者の街へ生まれ変わった。
菜の花は、同倶楽部が毎秋、旧市立梅田東小の敷地内で栽培。プランターに植え替えて、開花時期の3月下旬に飲食店やショップに届けている。当初、20~30店舗に配達していたが、今年は約50店舗に増加。同協議会に参加する梅田ロフトや「UNIQLO(ユニクロ)OSAKA」など約20か所でも菜の花を飾っている。
見頃は4月上旬まで。倶楽部のメンバーで、梅田ロフトそばの長屋で育った藤原尚之さん(57)は、「ここ数十年で街は激変し、昔のことを知る人も少なくなった。菜の花を通じて、町の歴史や文化に興味を持ってもらえれば」と話している。