社会そのほか速
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【シンガポール時事】シンガポール首相府は21日、重い肺炎で入院中の初代首相リー・クアンユー氏(91)の容体が「さらに悪化した」と発表した。
リー氏は2月5日に入院。首相府は3月17日以降、同氏の容体について「感染症のため悪化」「依然として危篤状態」と発表している。
【ジャカルタ時事】インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が22日、昨年10月の就任後初めて日本を訪問する。インドネシアは長年の親日国だが、経済発展を最優先するジョコ政権は、対外関係でも「実利志向」を鮮明にしており、日本に対しインフラ整備などで具体的な経済協力を求める方針。また、日本の後に中国を訪問することで、貿易面で重みを増す中国とのバランスを図る。
インドネシアは、ユドヨノ前政権時に6%前後の高い経済成長を実現したが、輸出の低迷などから近年は伸びが鈍化。経済格差も拡大しており、ジョコ政権は所得が低い地方のインフラ整備を重点的に行うことで成長を加速する戦略を取っている。
このため、ジョコ大統領は訪日前、「日本は長年の友人」と重視する姿勢を見せる一方で、「安倍(晋三)首相には発電所や港建設で具体的な協力を求める」と発言。首脳会談では日本側にインフラ整備での協力を訴えるほか、国内で「不平等」との批判が強い経済連携協定の見直しも求める考えだ。トヨタ自動車などの企業幹部とも会い、投資拡大も直接呼び掛ける。
また、「海洋国家構想」を掲げるジョコ政権は、沿岸警備能力の向上にも力を入れており、日本に対しこうした面での支援も求める方針。
一方、離日後に訪れる中国でも、経済協力の拡大が主要なテーマとなる見通し。中国はインドネシアにとり最大の貿易相手国で、中国からの投資拡大にも期待を寄せる。中国側も南シナ海での進出加速を背景に、東南アジアの大国であるインドネシアの「取り込み」を図りたい構えで、ジョコ政権の海洋国家構想に400億ドル(約4兆8000億円)の資金提供を申し出るなど、投資に積極的な姿勢を示している。
【シドニー時事】21日付のオーストラリアン紙は、対外情報活動を担当する豪秘密情報部(ASIS)が、日本政府の依頼を受け、日本の当局者にスパイ養成訓練を施してきたと伝えた。
日本では、中国との関係緊張や過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件などを受け、対外情報収集力の強化が課題になっている。米中央情報局(CIA)のような対外情報機関設置の是非が議論を呼んでおり、安倍晋三首相も2月、「政府としても研究していきたい」と述べた。
豪州にスパイ訓練を委託していたとすれば、「日本版CIA」実現に向けた情報収集や準備作業の一環とみられる。同紙によれば、2008年ごろ始まり、これまでに20人以上にスパイ活動のノウハウを提供したという。
2015年3月19日、韓国メディア・ニューシスによると、昨年12月に収賄疑惑が浮上した韓国海軍の黄基鉄(ファン・ギチョル)元参謀総長について、政府の合同捜査団が事前拘束令状を請求したことが分かった。汚職や公文書偽造などの疑いが持たれている。20日付で環球網が伝えた。
【その他の写真】
黄元参謀総長は09年の救難艦「統営」建造時に防衛事業庁の事業部長を務めており、入札に関するデータを部下に書き換えさせたとされている。すでに起訴されている関係者らの証言によると、黄元参謀総長は「統営」に搭載するソナーのデータについて改ざんを指示。この結果、海軍の要求に満たない性能のソナーが「統営」に搭載され、メーカー側は契約を取るために防衛事業庁の関係者に賄賂を渡していた。
捜査団は17、18日の両日、黄元参謀総長から聞き取りを行ったが、指摘された違法行為についていずれも否認しているという。(翻訳・編集/野谷)
【ベルリン篠田航一、写真も】「世界を操る秘密結社」などと言われることも多い世界的な友愛団体「フリーメーソン」。米国を中心に会員は世界で約600万人とも言われ、欧州にも浸透している。小説や映画では「陰謀論」も渦巻くが、実態はどうなのか。活動が盛んな国の一つ、ドイツの事情を探ってみた。
【フリーメーソンのシンボルマークとは?】
ベルリン南西部の高級住宅街に「グランドロッジ・フリーメーソン・ドイツ」との看板がある。重厚なレンガ造りのその邸宅に入ると、グランドマスター(責任者)で独北部キールの医師、アヒム・シュトラスナー博士(67)がにこやかに迎えてくれた。「よく聞かれますが、陰謀とは無縁です。そもそも政治活動はしないので、国際政治に影響力を行使することなどあり得ませんよ」
あくまで友愛団体で、政治的人脈や商売上の利益を目的にしているわけではないという。入会は原則21歳以上の男性のみだが、近年は女性のためのロッジ(支部)もある。現在、ドイツ国内の会員は約1万5000人。年会費は集会所の維持費など、年間500ユーロ(約6万5000円)前後という。
外部から分かりにくいのが、その活動内容だ。博士は「博愛的行為を通じ、自身の人間性を磨く」と説明するが、ゴミ拾いをするボランティアなどのように具体的活動が見えにくいため、世間には「謎」と映るようだ。ライオンズ、ロータリークラブのような社会奉仕団体とも違うという。ある会員は「定期的に集まり、語り合う社交クラブというのが実態に近い」と話す。
シュトラスナー博士は「会員は、自身の人生をポジティブな言動によってより良き方向に変えようとします。しかしそれは自身のためであり、権力や政治のためではありません」と話すが、近年は米国の地方議員らが自身を会員と打ち明けることも多く、政治との距離は難しくなっているという。
ドイツでは2008年、ケーラー大統領(当時)が会員と面会し、「フリーメーソンは現代社会で非常に重要な意味を持っている」と博愛主義的な考えをたたえた。博士によると、ケーラー氏自身や現在のメルケル首相やガウク大統領は会員ではないという。歴史上の人物では米初代大統領ワシントン、文豪ゲーテ、音楽家モーツァルトらが会員だったとされる。
入会するには儀式があるが、内容は会員だけの秘密だ。博士は記者が持っていた万年筆を指さし、「あなたにとってそれはただの筆記用具かもしれないが、別の人にとっては芸術品かもしれない。感じることは人によって違う。こうした内容が審査されるとだけ言っておきましょう」と話す。何やら全てが抽象的だ。
ドイツには、日本でも有名なもう一つの秘密結社がある。18世紀に結成され、原始共産主義的な平等社会を目指した「イルミナティ」だ。「ダ・ヴィンチ・コード」のヒットで知られる米作家ダン・ブラウン氏の小説「天使と悪魔」のモチーフにもなり、フリーメーソンと混同される場合がある。
歴史家ラインハルト・マルクナー氏はイルミナティについて、「もう現存しない組織ですが、当時はイルミナティで一定の地位を築こうと思えば、まずフリーメーソンに属して徳を積むことが必要でした」と説明し、両者の関係は深かったと話す。だが、フリーメーソン側は「その団体とは無関係」(シュトラスナー博士)との見解だ。
フリーメーソンはもともと中世の石工(メーソン)の団体が起源と言われている。石造りの建物が多い欧州で、城や教会を造る技術者が集まり、その知識や経験を共有していたメンバーが徐々にサロン化し、17~18世紀の英国で現在の友愛団体の形になったという。こうした経緯もあり英国が「総本山」とされ、世界中にロッジを持ち、日本にも会員がいる。石工職人の商売道具だったコンパスと定規がシンボルマークだ。
定期的に集会を開くため、過去には権力者から「体制転覆を謀議する集団」と警戒されることもあった。ドイツでは1930年代、ナチスから活動を禁じられ、多くの会員が強制収容所に送られた。バチカン(ローマ法王庁)も過去に名指しでフリーメーソンを非難していた歴史がある。
数多くの陰謀論が語られることについては、博士は「インターネット社会の今、あらゆる情報をいちいち気にしていられません」と笑う。むしろそうした映画や小説を楽しむ会員も多いという。
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■ことば
◇イルミナティ
1776年、ドイツ・インゴルシュタット大学の教会法教授アダム・ワイスハウプトが創設した秘密結社。独南部バイエルン地方を中心に広まった。人類の平等など一種の無政府主義的な急進思想が危険視され、84~85年にかけてバイエルン選帝侯やローマ法王から相次いで活動禁止通告や異端宣言を受けて衰退。創設から約10年で消滅したとされるが、その後も根強く「存続説」「復活説」がささやかれている。