社会そのほか速
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◇近江八幡でまつり
近江八幡市宮内町の日牟禮(ひむれ)八幡宮一帯で14日、「左義長まつり」(国選択無形民俗文化財)が始まった。
戦国時代の安土城下で、織田信長も参加したとされる伝統の祭り。各地区が昆布やスルメで作った干支(えと)の未(ひつじ)などを13基の左義長に取り付け、この日を迎えた。
多くの見物客の中、左義長を担いだ若者らが八幡宮を出発。「チョウヤレ、マッセ」と威勢の良い声を上げながら一帯を練り歩いた。
15日は午後8時から、八幡宮で左義長を燃やす「奉火」がある。(小宮宏祐)
犬山市と近隣地域の地酒と鍋料理などが味わえる「あったか鍋と地酒まつり」が犬山市城下町で開かれており、観光客を楽しませている。15日まで。
古い街並みに商店が並ぶ城下町を活性化しようと、市民有志らでつくる同まつり実行委員会が企画した。
同市や江南市、岐阜県各務原市など周辺地区の酒造会社13社が参加し、城前広場、しみんてい、本町ポケットパーク、どんでん館の4会場で、一杯200円前後の地酒や石狩鍋、焼き鳥(各300円)、おでん(250円)などが販売され、観光客の人気を集めている。
4月から名古屋の会社に就職が決まり、友人らと3人で訪れた大学4年生、山口真幸さん(23)(埼玉県上尾市)は「落ち着いた街並みにアットホームな雰囲気。あつあつのおでんに地酒がおいしい」と話していた。
国が決定した基本計画から43年――。北陸新幹線が営業運転を始めた14日、JR金沢駅で行われた出発式では、この日を待っていた県民ら5000人近くが、一番列車「かがやき500号」の出発を見送った。金沢駅周辺や各観光地では、お祭りムードの中、伝統芸能の披露や地酒の振る舞いなどで、訪れた観光客をもてなした。
新幹線改札口前で午前5時に始まった開業式典で、JR西日本の真鍋精志社長は「長い年月を経て開業を迎えて感慨深い。より多くの方が訪れ、北陸との交流が広がることを期待する」とあいさつした。
式典に出席した谷本知事は「石川にとって100年に一度の節目を迎えた。開業効果を持続、発展させ、県内各地、各分野に行き渡らせたい」と意気込んだ。金沢市の山野之義市長は、「もう1回来たい、友達を連れて来よう、住んでみたいと思われる町をつくっていく」と誓った。太田国土交通相は「首都圏と北陸が近づいた。石川の魅力が高まり、多くの観光客を呼び込むことを期待する」と祝辞を述べた。
駅には一番列車の乗客や鉄道ファンらが次々と押し寄せると、自動改札機が詰まるトラブルも起きたが、備えた駅員たちが速やかに対応した。
11番ホームでは、東京行きの一番列車「かがやき500号」の乗客らが、和服姿の県内のミスたちと記念撮影をしたり、「W7系」をイメージした服を来て乗車したりと、祝賀ムードを盛り上げた。午前5時50分頃には先頭車両の横で、関係者がテープカットとくす玉割りで祝った。一番列車の発車を見送ろうと、約5000人が集まり、発車時に列車を写真に収めようという鉄道ファンらで混雑。駅員が「危ないので下がってください」とアナウンスするなど、安全確認も重ねた。
その後、辻昭夫駅長と女優土屋太鳳さんの合図で、定刻よりも1分遅れの午前6時1分、一番列車は多くの人々の夢、希望、未来も乗せて出発した。
遺伝子解析、東南アジアの災害、大学の将来像――。広島市の広島国際会議場で14日開かれた京都大附置(ふち)研究所・センターのシンポジウム「京都からの提言~21世紀の日本を考える」(読売新聞社など後援)では、第一線の研究者らが多彩な分野で最新の知識や考え方を披露し、詰めかけた市民らは大いに刺激を受けていた。
「自由の学風を重んじる教育・研究活動から生み出された提言に耳を傾けてほしい」。シンポジウムは京都大の山極寿一(やまぎわじゅいち)学長のあいさつで開幕し、同大学の研究者4人が登壇した。
このうち、動物遺伝学を専攻する野生動物研究センターの村山美穂教授は、遺伝子解析を用いれば、動物のふんや血液などからでも性別や性格の違いなどがわかると説明。この技術は種の保存や繁殖に活用できるとした上で「野生生物では遺伝子情報がまだ足りない。もっと蓄積しないといけない」と課題を指摘した。
東南アジア研究所の清水展(ひろむ)教授は1991年にフィリピンのピナツボ山で起きた噴火によって住まいを失った先住民アエタに生じた変化を紹介。国際NGOなどとの出会いを通じ、閉鎖的だったアエタの意識が変わったとし「災害は新しい社会を作るきっかけになる。災害後、どう立ち直るかが大切だ」と強調した。
地元の広島大からは高等教育研究開発センターの大場淳・准教授が登壇し、大学のあり方を歴史的側面から考察。大学間の格差拡大や人口減少などの課題に対応する必要があると語り、大学の未来について「大学任せにせず、学生の皆さんも一緒に考えてほしい」と呼びかけた。
広島県廿日市市の小学校非常勤講師、岩田圭子さん(56)は清水教授の話が印象に残ったといい、「広島も土砂災害に見舞われ、今は復興半ば。希望をもらえた」と話した。
広島市西区の主婦、佐藤博子さん(67)は「分野の異なる研究者の話を聞けて勉強になった。関心の幅が広がり、収穫がたくさんありました」と笑顔だった。
広島女学院大2年、松田麻奈さん(27)は「研究が社会にどう貢献できるかを、研究者がしっかり考えている姿に感動した。目指している管理栄養士の仕事でも、その真剣さを見習いたい」と話した。
「せんべい」と「あられ、かきもち」の違いをご存じだろうか。南砺市に本社を置く「日の出屋製菓産業」の立山工場を見学するまでは、なんでも「おかき」と呼んでいた私だったのだが……。
「『せんべい』はうるち米、『あられ、かきもち』はもち米を原料にしています」。立山工場敷地内にある直営店「ささら屋立山本店」店長の寺西亮さんが、まずは両者の違いについて説明をしてくれた。
同社では、100%富山県産米を使用する。「安心な原料米を使いたいという思いと、なによりも富山のお米はおいしいですからね」と寺西さん。立山工場ではうるち米、福光工場ではもち米を原料とした商品を製造しているという。
2008年に完成した立山工場では、見学通路から製造工程を自由に見ることができる。さぞや最新のオートメーション化がされているだろうと思いきや、意外にも人が多い。「いわば、職人の勘。人にはかないません」。寺西さんが言うように、焼き上げるガスバーナーの温度管理や、味付けなど、すべて人の手が加わっている。一枚のせんべいに、これほど手間がかけられているのかと驚くほどだ。
「しろえびせんべい」の手焼き体験も楽しめる。せんべいの生地を何度も返しながらあぶっていると、やがて香ばしい香りが。うわあ。おいしいそう! 熱々をしょうゆたれにつけ、一味違う「しろえびせんべい」の出来上がりだ。
おいしい米とおいしい水、そして「富山湾の宝石」と称されるシロエビ。富山の恵みが詰まった焼き立てのせんべいは、いつにも増して風味が豊かな気がした。