社会そのほか速
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◇仕事に追われ 子どもの異変、把握できず
「学校に行くより前に出勤しなければならず、遅い時間に帰宅するので、日中、何をしているのか十分に把握することができませんでした」。川崎市川崎区の河川敷で同区の中学1年、上村(うえむら)遼太さん(13)が刺殺体で見つかった事件。女手一つで上村さんを育ててきた母親が2日に発表したコメントからは、仕事に追われ、子供との時間を持つ余裕のないひとり親家庭の苦悩が浮かぶ。【斎川瞳】
【「残忍…涙が止まりません」】上村さん母 事件後のコメント全文
「毎朝、子供を保育園に送り、夕方には小さい下の子2人の手を引いてスーパーで買い物をしていた」。上村さんの自宅アパート近くの住民は、介護関係の仕事と育児に奔走する母親の姿を度々見かけた。
上村さんは5人きょうだいの2番目。島根県・隠岐(おき)諸島にある西ノ島(西ノ島町)の小学3年進級時に両親が離婚。以降は母親ときょうだいと一緒に暮らし、小6の夏に川崎の母親の実家近くに越してきていた。
「仕事が忙しかった私に代わって、進んで下の兄弟たちの面倒を見てくれました」。コメントからは母親を気遣う上村さんの優しさがうかがえるが、「学校に行かない理由を十分な時間をとって話し合うことができませんでした」との文面には、後悔がにじむ。
厚生労働省の調査(2012年)によると、経済的に普通の暮らしが困難な人の割合を示す「相対的貧困率」は16・1%。ひとり親家庭に限ると、その割合は54.6%にまで上昇する。ひとり親世帯を対象に行った別の調査(11年)では、母子家庭の母親の帰宅は午後6~8時が39.8%と最多で、8時以降も11%。子供の非行や交友関係に悩みを持つ割合は、上村さんと同世代の10~14歳の子供を持つ母親の場合は5.6%で、全体(3.6%)に比べて高かった。
「周囲の助けなしには育てられない」。東京都練馬区で中1、小4、1歳のきょうだいをひとりで育てる母親(35)も、朝9時から夕方6時まで働き詰めだ。買い物をして夕飯を作り、下の子を寝かしつけると夜9時を回る。長男は中学生になり、交友関係も広がった。会話を持つようにしているが、「何を考えているか分からなくなるときもある」。
支えになるのは「ママ友」だ。「あそこで見かけたよ」「学校でこんなことがあったらしいよ」。把握しきれない学校での出来事や子供の異変をメールなどで教えてくれる。「理想は『地域で育てる』でも、知らない子や親に声をかけるのは難しい。家庭環境を分かり合えているママ友の存在は大きい」という。
千葉県市川市で中3と小6の娘と暮らす看護師の母親(39)は週2回は夜勤で朝まで帰れない。次女が学校で体調を崩し、学校から電話があったが、仕事で2時間以上出られなかった。「子育てを誰かに相談する余裕もない」
ひとり親家庭でつくるNPO「しんふぁ支援協会」代表で、高校1年の長男(15)をひとりで育てる原貴紀さん(41)は「一律でない、それぞれの家庭に合った支援体制が必要だ」と訴える。「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク共同代表の湯沢直美・立教大教授(社会福祉)は「子供のために働けば働くほど子供との時間が奪われる。就労環境の改善や児童手当の拡充など、ひとり親の就労を下支えする福祉が必要だ」と話す。

睡眠や血圧、体温などを24時間周期で制御する「体内時計」のおおもととなる細胞を特定したと筑波大と米テキサス大のチームが5日、米科学誌電子版に発表した。
時間を刻む分子は体のほぼ全ての細胞にあるが、それらの時刻を合わせ、統一的に管理する細胞を、脳の中心部にある視交叉上核で特定したという。
細胞は視交叉上核の細胞のうち、約4割を占めるが、どのような仕組みで体全体の時計を管理しているかはまだ分からない。チームの柳沢正史筑波大教授は「仕組みが解明できれば、体のリズムに関連した病気の治療が可能になる」と話した。

睡眠と覚醒のリズムを生み出す体内時計を調節する「ペースメーカー」として働く細胞を、マウスを使った実験で特定したと筑波大の柳沢正史教授らの研究チームが発表した。論文は4日付の米科学誌ニューロン電子版に掲載。研究が進めば、睡眠障害の治療に役立つ可能性があるという。
体内時計は複数の遺伝子が集まった「時計遺伝子」として、日の光を浴びる生物のほぼ全ての細胞に存在。哺乳類では全身の時計遺伝子を制御する神経細胞は、両目と脳をつなぐ神経が交わる「視交叉上核」と呼ばれる部位に存在するが、具体的にどの細胞が中心的な役割を担うか分かっていなかった。
柳沢教授らは米テキサス大との共同研究で、視交叉上核にある神経細胞の約40%を占め、神経ペプチド「ニューロメジンS」を作る働きをしている特定の細胞に着目。遺伝子操作でこの細胞群の時計遺伝子の働きを乱すと視交叉上核全体、さらに個体の行動リズムも乱れることを証明し、ペースメーカー細胞であると結論付けた。
ただ、時計遺伝子の働きを乱すのではなくニューロメジンSを作れなくしただけではリズムに影響はなく、体内時計に重要な役割を果たす神経伝達物質はまだ明らかになっていないという。

アフリカ東部エチオピアの280万〜275万年前の地層から原人の下顎骨化石を発見したと、米アリゾナ州立大などの国際調査隊が5日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。猿人から原人への移行期の特徴があるが、現生人類(ホモ・サピエンス)と同じホモ(ヒト)属で最古の化石と考えられるという。
エチオピアではこれまで、ホモ属とみられる233万年前の上顎骨化石が見つかっており、40万年程度さかのぼることになる。2013年に発見された今回の化石は大人の左側の下顎骨で歯も5本残っていたが、種の特定には至らなかった。近くの約300万年前の地層からはアファール猿人の化石が見つかっている。
発見場所付近の284万〜258万年前の地層からは、草食動物のレイヨウやゾウ、カバ、ワニ、魚などの化石が見つかった。草原や森林、川、湿地があったとみられる。猿人から原人への進化は気候変動により森林が減り、乾燥した平原が広がったことが主因との説があるが、300万〜200万年前の人類化石が発見された例が少なく、まだ分からないという。

◇「海水浴場のマナー向上条例」改正案、全会一致で可決
今夏の海水浴場利用者への規制を強化する神奈川県鎌倉市の「海水浴場のマナー向上に関する条例」の改正案が4日、同市議会本会議で全会一致で可決され、成立した。市民の関心が高い「海の家」の営業時間が同案に盛り込まれていないとして、一部市議が現在の「午後10時まで」を「午後8時半まで」とする修正案を出したが、賛成少数で否決された。
改正条例は、250平方センチメートル以上の入れ墨の露出▽音響機器による音楽や音声▽海の家以外での飲酒−−など8項目を「禁止行為」と定め、違反した場合に指導、勧告し、従わない場合は中止命令などを行う内容。昨年制定した同条例が「努力規定」にとどまり、効果を上げられなかったことから、1年足らずで改正されることになった。
焦点の海の家の営業時間は、9日から始まる市海水浴場対策協議会(会長・松尾崇市長)で決定する。市と海の家の事業者らが作る市海浜組合連合会との協議が中心になる。市は従前から「午後8時半まで」を提示しているが、事業者側は「午後10時は譲れない」と主張しており、交渉が難航する可能性もある。
このため、4日の市議会本会議では、松尾市長に対し、海の家の事業者らと協議した上で「午後8時半まで」とする従来からの方向を堅持するよう求める異例の決議案まで提出されたが、賛成少数で否決された。
海の家の営業時間は、近隣の藤沢市が午後8時半、逗子市が午後6時半と、いずれも鎌倉市より短い。近隣住民や警察関係者からは「せっかく条例を改正しても、営業時間が変わらないと効果は期待できない」との懸念も出ている。【因幡健悦】