社会そのほか速
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「就職活動の時期が繰り下げられると言うけれど、今は何をしておけばいいのだろう?」
そう悩む3年生が多いことでしょう。2016年度の新卒採用から、企業の広報活動は3年生の3月から、選考は4年生の8月からと、従来より3~4か月繰り下げられます。
繰り下げは強制ではなく、罰則もないため、スケジュールを守らない企業が出てくる可能性もあります。不透明な部分が多いのは事実ですが、焦ってばかりいても仕方ありません。
本来、就活時期の繰り下げは、学業を始めとする大学生活を充実させるのが目的です。ですから、現時点での就職対策は自己分析や業界研究にとどめ、自分がやりたいこと、楽しみたいことに力を注ぐべきです。
それが、結果的に採用選考にも役立ちます。繰り下げで時間に余裕ができた分、どんな学生時代を過ごせたのか、面接などで重点的に質問される可能性が高いからです。特に学業での取り組みや成績については具体的に聞く企業が増えるでしょう。
注意しておきたいのが、就活本番を迎えるころ、1学年上の先輩が卒業してしまっている点です。就活中、先輩に気軽に相談できなくなります。ゼミ、サークル、アルバイトなどでつながりがある先輩とは、卒業後も相談に乗ってもらえるよう、接点を保っておきましょう。
あとは大学のキャリアセンターなどからの情報収集を怠らないこと。繰り下げの影響や混乱は冷静に見極めてください。(人材コンサルタント)
(2014年7月15日の読売新聞朝刊に掲載)
小学生の頃から昆虫や熱帯魚が好きでした。
運動神経に自信がなかったので、私立麻布中学・高校(東京都港区)では、生物部に所属していました。
恒例の野外観察合宿。顧問の先生はついてきますが、計画や運営は生徒が行います。中1の夏、赤岳(長野、山梨県)で10日間のテント生活に参加しました。
合宿3日目、キャンプ場に両親がいるのに気づきました。心配で様子を見に来たのですね。ほかの部員からは「なんでお前のお母さん来ているんだよ」と冷やかされ、僕は恥ずかしかった。そうしたら高校生の先輩が両親に「生徒が自主的に行う合宿なので、遠慮してほしい」と、注意してくれたのです。誇りを持って下級生を引率する先輩を尊敬しましたね。
沖縄県・西表島での合宿では、イシガケチョウなど美しいチョウに出会い、すっかり魅了されました。ところが、観察に夢中になりすぎて、バスの最終便を逃してしまったのです。周囲は真っ暗。みんな真っ青になりました。通りがかりのトラックに拾ってもらい、宿までたどり着けました。自由には、自己管理や責任も伴うのだと学びました。
高校では2年かけ、近くの有栖川宮記念公園で植生を調査し、公園のジオラマも制作しました。専門家が見れば、得られた成果はたいしたことがなかったかもしれません。それでも、リーダーとして成果を出せたことが誇りになりました。
中高生には、ぜひ「背伸び」をしてほしい。一生懸命、背伸びをしていると、いつか本当の身の丈になるのです。生物部で力いっぱい「背伸び」をできた体験は、僕の大切な財産です。(聞き手・伊藤史彦)
(2014年9月25日付読売新聞朝刊掲載)
新卒採用のコンサルティングの経験を生かし、就職活動をする学生に役立つ情報を発信します。
今回は、「就活は何から始めるべきか」を考えます。第一歩として「企業研究」を挙げる人が多いでしょう。企業研究では、興味のある会社から調べるのが一般的です。それで構いませんが、代表的な商品やサービスなど、当たり前の事実を確認するだけでは意味がありません。
その会社が、「本当は何屋さんなのか」という視点が必要です。例えば、写真フィルムのメーカーが、フィルム製造から派生した技術で化粧品部門に参入していることをご存じですか? テレビ局は、番組を制作して配信するだけでなく、イベントの運営なども業務にしていることを知っていますか? また、その会社が「何」を作っているかは分かっていても、「どのように」作っているかは、意外と知らないものです。仕入れ、付加価値の付け方、販売の仕組みなども調べてみてください。
こうした情報は、会社のホームページや就活の情報サイトだけでは分かりにくいことがあります。その会社について書かれた本や、ビジネス雑誌のバックナンバーを図書館などで探して読むと理解が進むでしょう。先輩のつてなどで、社員に会って話を聞くのもおすすめです。
「へぇ」と思わずつぶやく事実をたくさん発見してください。分析するポイントがわかりますし、志望動機が明確になります。(人材コンサルタント)
(2014年4月22日の読売新聞朝刊に掲載)
経団連が毎年実施する調査では10年連続1位です。
「サークルの代表を務め、コミュニケーションには自信があります」と自己PRする学生がいますが、大半は勘違いをしています。本当のコミュニケーション能力とは、自分と異なる価値観や考えを持つ他者と意思疎通できる力。友達同士で会話が弾むのとは次元が違います。
この力が求められる理由は二つあります。一つは、就業構造の変化です。農林漁業など第1次産業、製造業など第2次産業で働く人の割合が減り、小売り、金融、飲食店など第3次産業で働く人が今や7割。人と接する仕事が増えたのです。
二つ目は、働く人の多様化です。かつて、会社で働くのは男性が中心でしたが、今は女性も半数近くが仕事を持っています。派遣やパートも増え、外国人が働く職場も珍しくありません。多様な人たちが一緒に働くため、互いに理解しあい、協力することが難しくなっています。
今からできる準備は、アルバイト先など周囲にいる年の離れた社会人と接すること。仕事の楽しさやつらさ、若い人に望むことやその理由を質問してください。また、留学などで外国人と接するのも有効です。
世代や文化が異なる人と話せば、人と接する訓練になり、いかに自分の価値観と異なるかもわかります。違いを理解し認めることが、コミュニケーション能力を鍛える第一歩になります。(フィールワークス代表)
(2014年4月29日の読売新聞朝刊に掲載)
この時期、大学3年生の女子に、就職活動について何が不安か尋ねると、皆が口をそろえて「面接が心配だ」と言います。
面接の何が心配なのかと聞くと、「自己PRが苦手だから」。人前で自己PRをすることは、「自慢げで気が引ける」と考える女子が多いようですね。
でも、まずはどこの会社を受けるか先に検討すべきでは? 面接のことばかり気にして、どんな会社でも同じ自己PRをしようとしていませんか。
志望する業界や職種がはっきりしないまま、就活の本番を迎えてしまう人が結構います。エントリーシートを提出するときになっても、まだ迷っていて、様々な業界の会社にエントリーする女子が少なくありません。
今の時期は、大学で勉強してきたことなどを振り返り、それをアピールできそうな業界を仮の志望先にするとよいでしょう。例えば、経済学部で地域の商店街の活性化について学んだなら、信用組合を志望先の候補にし、その業界を研究してみるのです。自分に合わないなと思ったら、ほかにも自分の強みがないか洗い出して、同じことを繰り返してみてください。
どんな業界でどんな仕事をしたいか決まらないうちから、自己PRの内容を考えても、その会社が求めているものと違えば、意味がありません。自己PRになりうるアピール点や強みは、それに見合う相手があってこそ発揮されます。説得力のある自己PRなら「自慢げ」になどなりませんよ。(ハナマルキャリア総合研究所代表)
(2014年10月7日の読売新聞朝刊に掲載)