社会そのほか速
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来春卒業予定で就職を希望する香川県内高校生の内定率(10月末現在)は78%で、1993年以来、21年ぶりに75%を超えた。県教委や香川労働局は24日、県経営者協会など経済4団体に一層の採用増や、高水準にある早期離職率の改善に向けた取り組みを要請した。
要請は▽新卒者の積極採用▽卒業後3年以内の既卒者の新卒枠での採用▽新卒者が定着しやすい職場の環境づくり――の3点。要請書を受け取った県経営者協会の大西大介会長は「各企業には魅力、活躍できる場がある。そのことを企業にアピールさせたい」と応じた。
県教委などによると、内定率は前年同期より3・7ポイント向上。景気の回復傾向が奏功しているという。一方で2011年3月に卒業した就職者は、42・7%が3年以内に離職し、全国平均(39・6%)を上回った。
香川労働局の加藤敏彦局長は「離職理由は『職場の雰囲気が合わない』が多い。職場を紹介する生徒向けセミナーを開くなどし、ミスマッチを防いでいきたい」と話した。
就職活動中の女子学生からの相談です。グループ面接は、複数の学生から同時に話を聞く選考方法です。選考の初期の段階で行われることが多く、4~5人の学生が、1~2人の面接官の前に並んで座り、自己PRや志望動機などの質問に1人ずつ答えるスタイルが一般的です。
女子の場合、周囲を気にする傾向が強いせいでしょうか。1対1の個人面接では自分の話がしっかりできるのに、複数になると、他の人にペースを乱されてしまうことが多いようです。
他人の話がどんなにすごいと思っても、自分の長所をきちんと伝えることに集中してください。同じような話を先にされてしまうこともありますが、うろたえず、「前の方と似ていますが」と切り出せば問題ありません。「他人の話をよく聞いているな」と好印象を持たれます。
ただし、話が長くなりすぎるのは良くありません。グループ面接で1人が話せる時間は5~6分。他人の時間を奪わないよう、1回の発言は1分程度になるよう練習してください。スマートフォンなどで自分が話す様子を動画撮影し、時間も計ってチェックするといいでしょう。
誰かが面接官に「ありがとうございました」と最後にあいさつすると、あわてて声をそろえる人がいますが周囲の空気に流される言動は意味がありません。他人と自分を比較していたら、きりがありませんよ。(ハナマルキャリア総合研究所代表)
(2014年6月10日の読売新聞朝刊に掲載)
インターネットの資料などを引き写す「コピペ」(コピー・アンド・ペースト)の防止など、大学生への論文指導の必要性が指摘されている。
STAP細胞の論文問題を受け、学生の関心も高まっているが、指導する側からは、著作権法で認められる引用を行うことに加え、「自分の意見をしっかり持つことが大切」との指摘が目立つ。
横浜市の慶応大日吉キャンパスでは、論文やリポートの書き方に悩む1、2年生を対象に、上級生や大学院生らが図書館で相談に応じる。新年度に入り相談件数は例年並みだが、「これはコピペになりますか」といった質問が増え、引用方法を確認する学生が目立つという。
慶大では2008年度から、論文技術の授業を受講した学生や大学院生約20人を相談員に任命している。「STAP細胞の論文問題で、『正しいルールを身につけないと大変なことになる』という意識が学生に広まった」と、相談員で法学部4年の辛宇華さん(21)。卒業生で現在は東大大学院生の渡辺めぐみさん(24)は「自分の意見を持って論文を書くことが、コピペ防止にもつながる」と助言している。
学生による論文指導は各大学に広がっており、早稲田大も04年「ライティング・センター」を設置。研修を受けた大学院生らが希望者の相談に応じ、昨年は約4000人が利用した。
論文の盗用検知ソフトも注目されている。米アイパラダイムズ社の日本代理店によると、現在東京大や大阪大、早大など13大学が同社のソフトを使用。ほかに約10校が導入を検討中という。
ただし、チェックできる論文数は無制限ではなく、契約ごとに上限がある。東京都調布市の電気通信大は今年2月、年間1000本までの契約で運用を始めた。対象は大学院生以上の論文で、科学雑誌などに投稿する前の確認として使っている。「学部生の提出物まではチェックできない。日常的な論文指導が最も重要であることに変わりはない」と、同大の三橋渉理事は強調している。
徳島大で論文の書き方を指導する山口裕之准教授(43)は、ネットの文章を丸写しした新入生を注意したところ、「一生懸命調べてきたのに、なぜダメなんですか?」と困惑された経験が何度もある。
学生の話から浮かび上がったのが、小中高校の「調べ学習」の影響だ。「ネットで『答え』を探してまとめればよいと勘違いしてしまったのでは」と推測する。
山口准教授は昨年、「コピペと言われないレポートの書き方教室」(新曜社)を出版。文献などの出所を明示した「引用」とコピペの違い、信頼できる情報源の探し方、「根拠を基に意見を主張する」大切さを説いた。STAP細胞の論文問題で、「正しい論文の書き方を身につけようという意識が浸透すれば」と話す。
大阪大では今年度、全新入生に「論文入門」の小冊子、教員には指導マニュアルを配布した。以前から計画していたものだが、担当した堀一成准教授(47)は「大学全体で論文の技術的指導を行う時期に来ている」と指摘した。(伊藤史彦)
「私より早く内定を得た同期から、君は○月に内定が出た組だね、と補欠扱いのように言われました」
内定式や内定者研修が開かれる季節。例年、内定の時期や内定を得た企業の数などで、劣等感を持ち、入社への不安を訴えるまじめな学生に出会います。
他人と比べてしまう気持ちは、わからなくはありませんが、内定の順番など気にする必要はありません。内定者や新入社員同士が感じる序列意識と入社後の仕事の評価とは無関係です。
今の時期、大切なのは、内定を就職活動のゴールではなく、社会人のスタートととらえ直す意識です。過去は変わりませんが、未来は変えられます。未来を見据えれば、今感じる差が成長する課題に通じ、努力すべき方向のヒントとなるはずです。
私自身、大手企業の新入社員時代には、学生時代から起業経験や留学経験があり、自己主張できる同期たちを見て、自分の平凡さを痛感。自信を失いました。そこで気持ちを切り替え、自分には特別な才能などないのだから、無用なプライドは捨て、積極的に先輩や上司とコミュニケーションをとることを心がけました。その結果、様々な教えを請うこともでき、成長の糧になった実感があります。
一方、自己主張が強かった同期の中には、職場の人間関係につまずき、1~2年で退職していった人もいました。
働く人生は長い。コツコツと努力と工夫を続ける先に、自分の成長や会社の評価があるのです。(フィールワークス代表)
(2014年9月23日の読売新聞朝刊に掲載)
企業などと緊密に連携し、実践的な職業教育を行う専門学校の学科を文部科学省が「職業実践専門課程」として認定する制度が、今年度から始まった。
国の「お墨付き」を得たのは全国の1373学科(472校)。専門学校にとっては、学生募集の際にアピールできる反面、中退者数などの公表が義務づけられ、教育水準の向上が期待されている。
情報技術(IT)などの12学科が「職業実践専門課程」に認定された日本工学院八王子専門学校(東京都)。昨年8月、太陽光や風力による発電装置を備えた省エネ住宅「スマートハウス実習棟」を敷地内に建てた。
実習棟には、連携する住宅メーカー「ヤマダ・エスバイエルホーム」(大阪市)の協力で、太陽光パネルなどのほか、電気自動車を充電し、車から電気を家屋に送れる設備や、エアコンや照明を自動的に節電する制御装置もある。
「近い将来に普及するであろう最先端の技術に接することができる」と、同社設計技術統括部の藤本和典さん。同社の社員らが教員研修や、学生たちへの技術指導を行うこともある。
6月中旬の授業では、学生たちが実習棟の脇で、屋根を模した板に太陽光パネルを設置する作業に取り組んでいた。
同校では今年度、入学希望者の保護者説明会を開く際、専門課程に認定されたことを強調した。「これまでも産業界で通用する即戦力を養成してきた自負はある。国の『お墨付き』を得たことで、実践的な教育をさらにアピールしたい」と千葉茂校長は話す。
今回認定されたのは、全国の専門学校8128学科(2811校、昨年5月現在)の約17%にあたる1373学科。その一方で、30学科は申請したものの、連携先を確保できなかったなどの理由で取り下げたという。
文科省によると、新制度は職業教育の水準向上を目的に導入され、企業などと連携し、カリキュラムの編成や実習、教員研修を実施することなどが認定要件となっている。
学校と企業でつくる各校の「教育課程編成委員会」では、連携先の企業などが授業改善を求める意見を述べるケースもある。
日本福祉教育専門学校(東京都)の介護福祉学科などと連携する障害者支援施設「雑司谷(ぞうしがや)」(同)の肥後義道施設長は、「受け入れている実習生のマナーなど、気になった点を積極的に学校側に伝えている」と話す。学校側も「専門家から率直な意見をいただき、できるものから授業改善につなげていきたい」と受け止める。
また、認定を受けると、教員数や学生の中退者数、主な実習内容などをホームページに公開しなければならない。学生が専門学校を選ぶ際の判断材料になり、「教育内容をより一層高めるきっかけにしてほしい」と文科省専修学校教育振興室の担当者は話す。
政策研究大学院大の今野雅裕教授(教育政策)は「専門学校は、学校間で教育内容の質に差があるとされる。制度を生かし、専門学校全体の教育水準を上げることが大切だ」と指摘している。(渡辺光彦)