社会そのほか速
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「苦情をうかがうときは一歩前」「お礼を申し上げるときは半歩下がって」といった気遣いの数々を紹介。お祝いやお見舞いの際の贈答の作法についても解説しており、ビジネスにも役立ちそうだ。
「資生堂で学んだ まごころの仕事術」(関根近子著、朝日新聞出版、1300円税抜き)の著者は、資生堂に美容部員として入社し、執行役員常務となった経歴の持ち主。
まごころとは、「どうすればお客さまによろこんでもらえるのかを考え、準備し、行動すること」と説く。「自分で化粧品を試し効果を納得して説明する」など、経験から生まれたアドバイスも豊富。
買い物のレシートをスマートフォンのカメラで読み取ると、金額や品目、店名を自動的に記録、集計もしてくれるアプリ「Zaim(ザイム)」。
2012年に同名の会社を設立した閑歳孝子さん(35)が1人で作りあげた「家計簿アプリ」だ。3年弱でダウンロード数は200万回を超える。
かつて、自らも家計簿をつけていたが面倒で断念した経験があり、「いつでもどこでも手軽に家計簿をつけられたら」と考えたのが開発のきっかけだ。
まず、友人の主婦ら十数人に、家計をどのように管理しているか尋ねて回った。すると、月別の予算を設けている人が多いとわかった。アプリにも、「食費」「交際費」「通信費」など費目別に予算設定して出費を管理する機能を加えた。
開発に着手した時は、IT関連企業に勤務していた。アプリ制作はあくまで個人の取り組みだったため、退勤後の午後10時ごろから2~3時間、休日は10時間以上を開発に充てた。
4か月弱でアプリを完成させ11年7月に一般公開すると、予想以上の反響に驚いた。「責任をもって運用するには事業化するしかない」と決意、1年後に独立した。
思いがけず、ITベンチャーの社長になり、仕事の幅は広がる一方だ。コンビニチェーンでアプリを使うとクーポンが当たるキャンペーンを企画したり、渡航先でも使えるように154の通貨に対応させたりした。「フィリピンで現地の日本人が使っていたと聞いた時は、すごくうれしかったですね」
実は、技術者としてのスタートは30歳近くになってから。大学を出て3年半は、雑誌記者を経験した。「多くの人の話を聞き、物事を俯瞰(ふかん)して見ることを学びました」と話す。
そうした姿勢は、今の仕事にも生かされているという。「お金を有効に使えれば、人生はもっと豊かになる。このアプリが、少しでも役に立ってくれれば」。より分かりやすく、便利なサービスにしようと改良を続ける日々だ。(田中左千夫)
【休日】IT系同人誌を年2冊
インターネット関連の仕事に携わる女性たち10人ほどで、文芸系の同人誌「久谷女子便り」=写真=を制作している。ネットにまつわる話題を、コラムなどで紹介する内容だ。
毎年8月と12月に東京都内で開かれる日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット」に合わせ、年2冊の新刊を発行。これまで出した8冊はほぼ完売した。
メンバーの仕事内容は技術者やネットメディアの編集者、広告プランナーなど様々。「それぞれの専門分野を生かしつつ、仕事と関係のないことに本気で取り組むのが何より楽しい」。メンバー全員が集まるのは年に2、3回だが、ネットを通じてコミュニケーションを密にしている。
同人誌では、コラム執筆のほか、IT業界の著名人インタビューや校正作業などを担当。雑誌記者の経験は、ここでも生かされているようだ。
【道具】効率アップ大切な相棒
職場で愛用している椅子は起業を考え始めた2012年の春に購入した=写真=。座面の高さや背もたれの角度を細かく調整できる。クッションはやや硬めで、背中から太ももまでをしっかり支えてくれるという。
「Zaim」の開発中は、1日15時間も座りっぱなしの日もあり、首や腰の痛みに悩まされていた。「体が悲鳴を上げ、椅子も大事な商売道具なのだと気づいた」という。
オフィスチェアが並ぶ家具店を回り、多くの商品に実際に座ってから決めた。「多少高くても良いものを」と、思い切って10万円以上の椅子を選んだ。値は張ったものの、「座り心地は抜群。買って良かったと思います」。
座っている時の姿勢も自然と良くなった。「集中力が高まり、作業効率もアップしました。もう離れられない、大切な相棒です」
同社にパートのオペレーターとして採用されたのは、創業間もない27年前。今は部長として約120人のオペレーターを束ねる。「お客様とじかに会話する仕事が楽しくて、気がついたらこうなっていました」と笑う。
センターにかかってくる商品の注文や相談の電話は1日数千件。同じフロアにある自席で全体の架電状況を把握し、使用回線の数を調整する。電話が少ないと、回線を減らしてオペレーターが休憩を取れるよう配慮し、混雑時は客を待たせないよう回線を増やす。長年の経験でバランスを見極める。混雑時には自ら電話をとることも少なくない。
意見や苦情は「会社の財産」と言う。「カタログの文字を大きくした方がいい」「商品名でなく雑誌のキャッチコピーを覚えていて、購入したいという人が多い」――。客との対話からつかんだ情報は、各オペレーターがすぐにパソコンに入力し、開発、製造、販売など他部署の社員と共有する仕組みにした。届いた手紙は、雰囲気まで伝わるように、文面に手を入れずに入力している。
こうした「現場感覚」は、オペレーターの教育活動にも生かされている。3年前、社歴や年齢の異なるメンバー3、4人でグループを組ませる制度を導入した。グループ内では月1回30分程度、意見交換したり悩みを相談したりする。「オペレーターはお客様と1対1で対応し、勤務時間も様々。ストレスを抱えやすいので」。一体感を持って働いてもらおうという工夫だ。
調査会社のリポートなどで、同社の顧客満足度の高さには定評がある。それを支えるコールセンターの存在は大きい。
「ただ電話で注文を受ければいい」と思って飛び込んだ仕事は、実に奥深い世界だった。「私たちは電話接客のプロ。お客様から相談や要望を引き出すコミュニケーション力をさらに磨いていきたい」(谷本陽子)
【週末】非日常の動作 筋力維持も
子どもの頃に始めた日本舞踊を、今も続けている。祖母の影響で6歳から習い始め、週末に稽古を続けている。神社や公共施設などで、10代から80代まで幅広い年代の人と一緒に稽古をしたり、発表会を行ったりしている=写真=。
「着物に袖を通すと背筋がピンと伸びる。正座でお辞儀をする動作の一つをとっても普段の生活とは全く違う。気分転換になります」
日本舞踊は、体の動きだけで物語の状況や登場人物の心情を表現する世界。稽古では、手取り足取り教えてもらうのではなく、師匠の踊りを目で見て覚える。三味線や唄と呼吸を合わせることも大切だ。
中腰の姿勢が多いので、筋力の維持にもつながっているという。「幅広い世代とのコミュニケーション。動きの間合い。日本舞踊を通じて培われたものが、仕事にも生かされているのかもしれません」
【道具】ピンチに表情チェック
職場の机の引き出しには、手鏡が入っている=写真=。知人に土産でもらったもので、布細工のツバキの花飾りがついた和風のデザインだ。
使うのは、考え事をしているときや、仕事が難航しているときだ。「表情が険しくなっていないか、自分の顔をちらっと映してチェックするんです」
20年以上前のことだ。同僚の女性から、「みけんにしわが寄っているわよ」「声を掛けにくいときがある」などと言われ、ハッとした。それ以来、ピンチのときほど、鏡で自分の表情を確認するようになった。
管理職になって、自分の表情が大切だと、より強く意識するようになった。職場の雰囲気はオペレーターの声を通して客にも伝わると思うからだ。「もちろん、みんなにも楽しく働いてほしい。なるべく、にこやかでいたいですね」
東京・竹芝桟橋と、大島、三宅島、八丈島など伊豆七島を結ぶ大型客船や高速ジェット船を運航する「東海汽船」(東京)。
主に女性向けツアーを企画する大道裕子さん(31)は「まず自分が魅力を知らなければ」と、プライベートを含め月5、6回は島に足を運ぶ。
定宿は作らないようにしている。新しい宿を開拓する一方、客から苦情があった宿にも泊まる。そして、訪問先の食事や風景をこまめに写真に収める。
「おしゃれで女性向けの宿」「漁師がオーナー、食事にこだわる人におすすめの店」「スマートフォンがつながりにくい」など、得た情報はファイルにまとめている。こうして足で集めた情報が、ツアーの企画に生きてくるという。
3年ほど前から「島ガール」と題したツアーに力を入れている。女性を対象に、三宅島で行うランニングやダイビング、神津島のビーチでのヨガなどを日程に組み込む。島の自然を肌で満喫できると好評だ。
先月には、千葉県富津市のドックに入った高速ジェット船を見学するツアーも実施した。参加者は普段は見られない船の底や旅客機のようなエンジンを間近にした後、船で東京へ。「好奇心旺盛な女性は多い。こんな風に気軽に楽しめる船旅も増やしたい」と話す。
「よい企画は机上だけでは生まれない」が持論だ。社内の他部署の同僚や上司、異業種の人にも積極的に声をかけ、意見交換するように努める。何げない雑談の最中や、飲食を楽しんでいる時にアイデアを思いつくことが多いという。
今月末には、竹芝桟橋と三宅島などを結ぶ航路に大型客船「橘(たちばな)丸」が新たに就航する。早速、この船で行く「おひとりさま歓迎の旅」や、シーカヤックを楽しむ女性向けツアーを企画するなど、アイデアは尽きない。
海に近い大阪市港区に生まれ育ち、生活の足として船に親しんできた。「自然いっぱいの島の輝き。ゆったりとした船旅の心地よさ。二つの魅力を生かしてワクワクするような旅を提案したい」(谷本陽子)
【休日】浮遊感覚を満喫 水中写真入賞も
ダイビングが趣味。2歳上の姉に誘われ、19歳でライセンスを取得して以来、小笠原諸島や沖縄、八丈島などの海に潜ってきた=写真=。「海の青色に包まれ、浮遊しているような自由な感覚がたまらない」と話す。週2、3回、ジムで走ったり、筋力トレーニングをしたりして、体力維持に努めている。
潜った回数は200以上。気に入ったダイビングポイントがあれば、企画するツアーの中にも組み込む。
5年ほど前からは、水中写真にも挑戦し、ダイビング雑誌の写真コンテストで入賞したこともある。撮るのは主に魚の顔に焦点を当てた写真。「つぶらな目がかわいい。同じ種類の魚も、1匹1匹顔が違うんです」。クマノミやキンチャクダイなどがお気に入りだ。
写真はスマートフォンや会社のパソコンの待ち受け画面に設定している。「仕事で疲れた時も、この写真を眺めれば元気が湧いてきます」
【道具】メモは母からもらったペンで
名刺サイズの小さなリングノートと、自分の名前が彫られたペン=写真=をいつも持ち歩いている。ペンは4色ボールペンとシャープペンシルの一体型。3年ほど前、「仕事を頑張ってね」と母から贈られた。
ノートはポケットに入る大きさで、添乗員としてツアーに同行する時も便利だ。例えば、大島の火山の歴史やデータ、おすすめの土産などの情報を書き込んでいる。
客からの頼まれごとなども記入し、備忘録としても使う。外出先で思いついた企画のアイデアや、旅先の飛行機や列車で偶然耳にした英語のアナウンスを書き留めたりもする。
細かい字で丁寧に書き込まれたノートには仕事の全てが集約されているといってもいい。「5年ほど使っているのでボロボロですが、必携の品です」。母から贈られたペンとともに、これからも使い続けていく。